睡眠のゴールデンタイムは無かった!

かつては、睡眠のゴールデンタイムは夜10時から深夜2時といわれてきました。残念ながら、これは過去の定説です。この時間帯に眠ると、肌や髪の新陳代謝が進んだり、若返りのホルモンである成長ホルモンが分泌されたりすると考えられていました。この時間帯を意識して睡眠時間に気をつけてきた人は、少しがっかりしますね。

佐藤智春『その不調、栄養不足が原因です』(主婦の友社)
佐藤智春『その不調、栄養不足が原因です』(主婦の友社)

実は、最新の研究で、何時にベッドに入ったとしても、眠りについてからの3時間に成長ホルモンの分泌が最大になることがわかってきたのです。毎晩10時に規則正しく寝るのはベストですね。しかし、現代人のライフスタイルは昔と大きく異なっているため、就寝時刻を意識しすぎなくていいかもしれません。

女性ホルモンは年齢とともに減少し、肌や髪、骨などが衰えていきますが、それを防ぎ、筋肉量を保ったり、新陳代謝を促したりするのが成長ホルモンの役割です。成長ホルモンの分泌には、眠る時間帯よりも睡眠の質、そして入眠後3時間がカギとなることを覚えておきましょう。

卵は最強のスーパーフード

卵は、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素がすべて含まれている食品です。食事でしかとることのできない9種類の必須アミノ酸がすべて含まれ、たんぱく質源として完璧といえます。コレステロールが高いことを気にする人がいますが、それは大きな誤解! 多くの人は「卵は1日に1個まで」といった、過去のまちがった認識でいるようですが、厚生労働省は2015年に「食事からとるコレステロールは、血液中のコレステロールに影響を与えない」と発表しました。

コレステロールは、私たちの体にとって欠かせない栄養素です。細胞膜や脳の材料はコレステロールであり、女性ホルモンの材料でもあるため、妊娠や出産にも大きく関与します。また、卵黄に含まれるコリンは神経伝達物質の材料で、不足するとメンタル面や記憶・認知機能などに影響が出るおそれもあります。

肌、髪、骨などの新陳代謝にもたんぱく質が重要なカギを握っていますが、日本人はたんぱく質が不足ぎみです。エイジングケアのサポート役としても、卵を1日3個食べることをおすすめします。

※佐藤智春『その不調、栄養不足が原因です』(主婦の友社)より
※佐藤智春『その不調、栄養不足が原因です』(主婦の友社)より
佐藤 智春(さとう・ちはる)
バイタルアナリスト®

分子整合栄養医学協会認定・分子整合栄養アドバイザー。バブル時代、スタイリストとして多忙をきわめ、体調をくずす。1995年より分子整合栄養学を金子雅俊氏に師事。その後、セルフメディケーションの提案をライフワークとする。キャリアアップを目ざす多くの女性に向け、ライフステージ・マネジメント®講座や企業の講演も行っている。著書に『卵を食べれば全部よくなる』(マガジンハウス)、『男は食事で出世させなさい』(ポプラ社)、『中高生の身長を伸ばす7つの習慣』『その不調、栄養不足が原因です』(ともに主婦の友社)などがある。