「ゴールデンキャンドル」が入っていないか

便秘茶を飲む時に一番注意しないといけないことは、ゴールデンキャンドル(キャンドルブッシュ、カッシアアラタ)は刺激性下剤の成分だということです。つまり飲み続けると耐性が生じます。

前田孝文『男の便秘、女の便秘』(医薬経済社)
前田孝文『男の便秘、女の便秘』(医薬経済社)

便秘茶のサイトにはゴールデンキャンドルが刺激性下剤の成分であることは一言も触れていません。その代わりに、東南アジアでは昔から美容と健康のために愛用されてきたというような歴史や、「すっきり」「もりもり」など良いイメージの言葉ばかり書かれています。

ゴールデンキャンドルは刺激性下剤の成分「センノシド」を含みます。お茶で飲む場合、どの程度のセンノシドが体の中に入ったか分かりません。このため、気付かない間に大量のセンノシドを摂取している可能性があります。

 

便秘茶も飲み方に注意を

「便秘薬は怖いから嫌だ、だからお茶の方が良さそう」「気軽に飲めるから」という理由で便秘茶を飲み続けた結果、耐性がついてしまうことがあるのです。耐性がつく前に便秘の治療を始めるのと、ついた後から治療を始めるのでは、治療の難しさに相当の差が生まれます。

便が出にくいときだけ頓用で便秘茶を使用する分には大きな問題は起こりません。刺激性下剤は屯用で利用する限りは効果抜群で、便秘で悩む人の強い味方になります。

しかし、便秘茶は気軽に飲める分、ついついたくさん飲んでしまいがちです。だからこそ、便秘茶はある意味で便秘薬よりも使い方に注意が必要だと考えているのです。

前田 孝文(まえだ・たかふみ)
医師、辻仲病院柏の葉 便秘外来 臓器脱センター医長

2001年3月京都府立医科大学卒業、同大外科入局。07年4月自治医科大学大学院入学、10年4月から9月南カリフォルニア大学大腸外科リサーチフェロー、11年3月自治医大大学院卒業。11年4月自治医大附属さいたま医療センター外科勤務。12年から辻仲病院柏の葉、17年から同病院便秘専門外来を担当。