戦争が女性活躍の起爆剤に!?

“銃後の守り”という言葉をご存じですか? 戦時中「戦闘には直接加わらず、後方で前線を支える活動」という意味で使われた言葉で、今風の表現でいうと“後方支援”の一種です。戦争が大規模な総力戦になればなるほど、銃後の守りは重要で、そこには高齢者や年少者までも駆り出されました。

オーバーオールで働く若い女性が旋盤で工場
※写真はイメージです(写真=iStock.com/George Marks)

しかし、この銃後の守りでいちばん注目されたのは、戦時下の女性の労働力です。そう、2度の世界大戦中、世界経済は戦場で戦う男たちに代わり、女性たちによって支えられていたのです。

ヨーロッパ各地では、第1次世界大戦を機に、女性労働者が急激に増加しました。戦場で戦う男たちの代わりに、女性が労働力として求められたのです。これにより、それまで農作業や木綿工場、タイピストや電話交換手、事務、看護や福祉などの限られた職業に従事していた女性たちは、銀行員や運転手、郵便配達員、調理師、機械工など、完全に“男に取って代わる”労働力へと変貌していきました。フランスでは軍需工場で働く女性が40万人、イギリスでは100万人に達し、なんとドイツでは、軍に徴用された馬に代わって“女性が荷車を引く”なんてこともあったそうです。