高収入を獲得できる職業とは

まず、高収入タイプにはどんな職業が多いかを見てみよう。典型的なのは医師、弁護士、会計士などの難関資格を持つ専門職だ。中でも医師にはお金持ちが多い。開業医の場合は繁盛しているかどうかで収入は大きく変わるが、1000万円以上は当たり前で1億円を超えることもある。

勤務医の場合、所属病院から受け取る報酬はそれほどでもないが、ほかの病院で非常勤として働いたり、講演などをしていることが多く、合計するとそこそこの収入になる。

医師に比べると弁護士や会計士には、お金持ちはそれほど多くない。とはいえ、会社員よりも収入は高い。

「どこの業界でも職場恋愛から結婚に発展することは多いですから、難関資格保有者同士が結婚して共働きを続ければ、あっという間にお金持ちになります」(藤川さん)。

外資系企業に勤める専門職にも高収入タイプは多い。たとえば、外資系金融機関のファンドマネジャー、アナリストあるいは外資系コンサルタントなどは相当な高収入だ。ある程度の実績をあげれば、数千万円の報酬が得られるし1億円超えの人もいる。

世界最大手の人事・組織コンサルティング会社マーサーの日本法人であるマーサージャパンは「日本総報酬サーベイ」(2019年版)を公表した(図表3)。それによると、2019年時点の課長クラスの年収は日本企業で932万円であるのに対し、外資系企業では1207万円で275万円の開きがある。また、15年と比較してみると、外資系企業のほうが伸び率も高い傾向にある。外資系企業へ転職するのもお金持ちに近づく一つの手だ。

外資系企業の場合、事業縮小となれば簡単に解雇されてしまうリスクがあるが、優秀な社員は辞めても他の会社で働くことができる。

日本企業と外資系企業の報酬水準

起業を目指すなら副業で足腰を鍛える

オーナー経営者にも高収入タイプが多い。以前なら、難関大学を卒業して大企業に入社したような人たちが、最近では就職せずにそのまま起業するケースも多くなっている。

もちろん、起業で成功するのはほんのひと握りだ。創業後に10年続く会社は1割と言われるように、ほとんどが失敗すると言っていい。生き残った1割でさえ、すべてが成功組ではない。

つまり、オーナー経営者として高収入を得るのはハイリスク・ハイリターンとなる。そう考えると、難関大学出身者の場合は、起業する魅力は少ない。いい企業に就職すれば経営陣に加わることができなくても、そこそこ出世すれば人並み以上の高い収入が得られる可能性が高いからだ。

一方で出世ラインに乗りにくい人は一発逆転できる可能性がある起業という選択肢は、魅力が大きい。

起業で高収入を目指すなら、焦りは禁物。長期計画でチャレンジしたい。会社勤めをしながら副業で小さく試しながら、お金をためて足腰を鍛えていくのがいい。

寝る間も惜しんで打ち込めるものを

何で起業するかも重要。人のマネできないビジネスでなければ成功は難しい。他の人にはできないことで自分にできることは何かを見極める。寝る間も惜しんで打ち込めるほど好きなものなら、他の人には追い付けないだろう。そうやって自分の得意の分野でマーケットを絞っていく。インターネットのおかげで、マイナーであっても競争相手の少ない市場を見つけることができれば、そこそこ稼ぐことができる時代になった。

「とある国のレコードが好きな人が現地で買い付けて国内で販売するビジネスを始めました。それだけで年収1000万円以上は稼いでいたようです」(藤川さん)

ここまでは、お金持ちになりやすい職業を見てきたが、同じ職業でも収入は大きく異なる。より多くの収入を獲得している人には、ある能力が突出しているという。