会社で問題が起こったときに解決方法はわかっているものの人間関係が邪魔をしてうまくいかない……。どこの会社でもありがちですよね。数多くの企業でアドバイザーや顧問を務める経営学者の宇田川元一さんが、こうした「適応課題」を解決する対話のコツを教えてくれます。そのヒントはまず「お互いにわかり合えていない」前提に立って対話をすることにありました。

※本稿は宇田川元一『他者と働く 「わかりあえなさ」から始める組織論』(NewsPicksパブリッシング)の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/fizkes)

他人とはわかりあえないことを認める

これだけ知識や技術があふれている世の中ですから、技術的問題は、多少のリソースがあれば、なんとかできることがほとんどです。つまり、私たちの社会が抱えたままこじらせている問題の多くは、「適応課題」であるということです。

見えない問題、向き合うのが難しい問題、技術で一方的に解決ができない問題である「適応課題」をいかに解くか──それが、本書でお伝えする「対話」です。

劇作家の平田オリザさんは、著書『わかりあえないことから』で、対話が日本で起きにくいのは、お互いに同じ前提に立っていると思っているからだ、と喝破しました。そして、お互いにわかり合えていないことを認めることこそが対話にとって不可欠であると述べています。これは大変鋭い指摘です。