老後の新常識「使いながら殖やす」
5.苦しくなった時はお休みもあり
「継続はチカラなり」ですが、そうは言ってもお給料が大きく減ってしまったとか失業してしまった等々、人生とはさまざまに不安定な出来事が付き物です。そんな時は、投資信託の積み立てを状況が回復するまで一時的にお休みすることも可能です。投資信託の積立投資はイザというときには必要な分だけ資金化することもできるし、積み立てをいったん休止することも自在なので、決して強迫観念にとらわれることなく、ゆったりのんびり気楽な感覚で続けてください。
6.取り崩しも時間分散で
積立投資は毎月一定金額を同じリズムで買い付ける、究極の時間分散手法です。現役時代はずっと積み立てを続けるつもりでいてほしいのですが、やがて将来積み上がった資産を活用する時期がやってきます。
その時に大事なのは長期投資をやめないことと共に、人生100年を踏まえて計画的に資産を取り崩していくことです。人生100年時代は老後も長い時間があるわけで、生涯軸で運用を続けながら、積立投資を時間分散でコツコツと積み上げてきたのと同じ要領で、少しずつ取り崩していってください。
自分は歳をとったとしても、お金は老け込むことなくエンドレスで元気に働き続けられます。これからの老後の新常識は「遣いながら殖やす」です。そうすることで自分が長生きすると同時に資産寿命も長期化できるのです。
7.明るい未来を信じること
長期投資で期待する将来の果実は経済成長が前提です。人類の営みは歴史上ずっと弛まず経済を成長させてきました。そしてこれから先も、もっと便利で豊かな社会の実現に向けて、世界中の人々は努力を続けていくでしょう。だからこそ経済の成長軌道は脈々と続いていくと考えられるのです。こうした明るい未来を信じられる人だけが長期投資家の資格を有していると言えましょう。
次の世代が今より豊かになる、そんな想いを込めて自分のお金を未来に向けて投じるのが長期投資なのです。
プレジデントウーマン読者の皆さんは、これら7カ条を肝に銘じて、自ら納得できる豊かな人生づくりへ、積立投資で行動してまいりましょう!
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1963年生まれ。東京都出身。明治大学卒業。1987年、現在のクレディセゾンへ入社。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用のほか、外国籍投資信託をはじめとした海外契約資産等の運用アドバイスを手がける。その後、クレディセゾン インベストメント事業部長を経て、2006年にセゾン投信を設立。2023年6月に代表取締役を退任。セゾン文化財団理事。著書に『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)などがある。