血液型性格判断にはほとんどの研究が否定的。だがO型の人は他の血液型の人よりも献血をするという傾向がデータに出ている。なぜ、O型の人は献血をするのか、行動経済学の観点から分析する――。

※本稿は大竹文雄『行動経済学の使い方』(岩波新書)の一部を再編集したものです。

ほとんどの研究が否定する血液型性格判断

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血液型性格判断を信じている人は結構いるようだ。日本人の血液型の分布は、A型が約40%、O型が約30%、B型が約20%、AB型が約10%と適度にばらついているのも血液型性格判断や血液型占いを信じる人が多い理由の背景にあるだろう。ネットの情報によれば、各血液型の特徴は、つぎのとおりだ。A型は真面目で誠実で気配りができる反面、神経質で頑固だそうだ。O型は、行動力があり、大らかな反面、大雑把で自信家だという。B型は独創的で社交的な反面、好き嫌いが激しく衝動的ということになっている。そして、AB型は感受性が強く、クールな反面、面倒を嫌い打算的だという。

多くの人がなんとなく信じている血液型性格判断だが、学術的にはほとんどの研究が否定している。例えば、大阪大学が行った大規模な日米比較調査を用いた研究によれば、68項目の性格や行動特性のうち65項目で統計的に有意な差がみられなかった。しかも、統計的に有意な差があったものでも、血液型によって説明できる割合は最大で0.3%と非常に小さい。職業と血液型の関係もないこと、幸福感や利他性と血液型の関係もないことも分析されている。