ポイント増減型は現金購入型と根本的に異なり、ポイントを現金に換えることはしません。ベンチマークとなる投資信託などの価格に連動し、ポイント自体が増えたり減ったりする仕組みです。通常の投資のように現金が増減しないので、いわば“擬似的な投資”。証券口座は原則不要、サービス提供会社もさまざまです。

現金購入型とポイント増減型のどちらを選ぶかは、人それぞれの好みに合わせてOK。基本は、自分が普段から貯めている、あるいは生活圏で貯めやすいポイントで始めるのがベターですが、資産運用に興味がある投資初心者の方には、現金購入型のポイント投資で、実際に金融商品を買う体験を味わってみることをおすすめします。

株を買ってみたいのなら、Tポイントのサービスに注目

なお、楽天スーパーポイントは、2019年5月20日時点で、現金購入型とポイント増減型の両方に対応している唯一のポイント投資です。また、現金購入型として今後さらに人気を集めそうなのが、サービス提供が始まったばかりのTポイント。SBI証券とCCCマーケティングが立ち上げたSBIネオモバイル証券に口座を開設すると、Tポイントで株を買うことができます(ただし、月額200円〈税別〉の手数料が発生)。楽天スーパーポイントは今のところ投資信託しか買えないので、ポイントで株を買ってみたい人に適しているでしょう。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Alife)

また、ポイント増減型で一風変わっているのがStockPoint。クレジットカードの「STOCKPOINTカード」の利用で貯まるStockPoint(もしくは永久不滅ポイントなどとの交換も可能)が、所定の株式の値動きに連動して増減する点がユニークです。しかも、ポイント数次第では、ポイントを運用した株と1株単位から交換することも可能。通常の国内株式の売買単位は100株ですが、StockPointならまとまった資金がなくても株主になれます。

さて、ここまでさまざまなポイント投資を紹介してきましたが、ポイント投資は投資対象の選択肢が限定的であり、基本は少額の資金しか動かせないので、あくまでも投資初心者向きです。ポイント投資を通じて投資というものに少し慣れてきたら、ステップアップし、少額からでも現金を投じて、投資信託の積み立てなどに挑戦することをおすすめします。

構成=元山夏香 写真=iStock.com

頼藤 太希(よりふじ・たいき)
マネーコンサルタント

株式会社Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年にMoney&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』、YouTubeチャンネル『Money&YouTV』、Podcast『マネラジ。』、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)など書籍90冊、著書累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。