結婚に最低限必要な世帯年収はいくらか

そこで、未婚者と既婚者で、それぞれがいったいいくらくらいを「お金が足りない」状態だと思っているのか、データで比較したいと思います。「結婚生活に最低限必要な世帯年収」について20~40代の男女に質問した意識調査の回答結果を使います【図表2】。この図表は、同一テーマについての調査の継続性や調査の母数規模から、信頼性が高いと思われる民間研究所の調査結果(回答者数3595人)になります。

まずは既婚者の回答ですが、約4人に1人、24%が最低必要世帯年収を「400万~500万円」と回答しています。一方の未婚者も、「400万~500万円」が最も多い回答で、割合も既婚者とあまり変わりません。

次に既婚者で多かったのは「300万~400万円」でした。既婚者の21%、約5人に1人がこの数字を挙げています。

ところが、未婚者の回答の第2位は「500万~600万円」です。つまり、5人に1人の未婚者が、既婚者の約5割の男女より高めの最低世帯年収が必要であると回答しています。

結婚生活に最低限必要な世帯年収

未婚者の8人に1人は700万~1000万円を求める

さらに既婚者と未婚者の回答データを見比べると、既婚者では「200万~300万円」を選んだ男女も1割程度います。しかし、未婚者では5位までにランクインすらしていません。さらに必要最低年収として、未婚者の8人に1人が「700万~1000万円」と回答しています。

この調査では「結婚生活に最低限必要な世帯年収」と質問していますので、「世帯年収が1000万円近くないと、希望する最低限の生活すら送れない」と考える人が未婚男女には10人に1人以上いることになります。このような高額年収を選んだ人は、既婚者では少なくとも5位以内に入る割合ではいませんでした。