約10日で結果が自宅に届く

「『F check』は、自宅でアンチミューラリアンホルモン(AMH)を検査できるキットです。AMHは、卵巣内に卵子の元になる原子卵胞がどのくらい残っているかの目安となる数値。もし年齢別の平均値と比較して自身のAMHの数値が低ければ、卵子の残数が少ない可能性があり、妊活や不妊治療ができる期間が限られてくることを表します。また、数値が高く、そして月経不順も同時に起きていると不妊の原因となる疾患である多嚢胞性卵巣症候群の疑いがあります。いずれの場合も、不妊治療も視野にいれながら、より詳しい検査をしたほうがいい。急いで妊活すべきかどうかを知るために、大きな目安となる検査項目です」

検査はいたって簡単! 専用ツールを使って、自宅で少量の血液を採決し、検査センターに送るだけ。10日ほどで検査は完了し、結果はスマホやパソコンで確認することができます。

早い段階で自分のAMH値を知ったほうがいい

これまではAMHの検査は、産婦人科や不妊治療専門クリニックを受診しなければ受けられませんでした。

「不妊治療をするかどうか決めかねている人にとっては、病院の敷居はまだまだ高いと感じます。もし不妊症だと診断されたらどうしよう、という精神的な不安もあるでしょうし、金銭的なハードルもあります。不妊治療はほとんど自己負担なので、検査だけでも数万円がかかります。治療が必要だとわかったとき、高額な費用をかける覚悟があるのか、今の段階ではわからない、という人もいるでしょう。また、地方では、不妊治療クリニックの数がまだ少ない現状があります。病院まで出かける時間的な負担がネックになっている方も少なくないと思います」

『F check』の販売価格は1万9880円(税別)。それに対して、クリニックでAMHの検査を受ける場合の費用は、だいたい5000~10000円ほどです。ただ、価格だけで単純に比較はできない、と吉川さんは話します。

「検査を受けるために半休をとらなければならなかったり、人気のクリニックだと待ち時間が長いことも。そうしたことがハードルに感じる人にとっては、自宅で自分の好きなタイミングで手軽にできるキットは利便性の高いものだといえるでしょう。『F check』は、検査後に専門カウンセラーとのオンラインでの相談ができる、というサービスも開始される予定と聞いています。クリニックでの検査でもいいし、まずは検査キットを使うのでもいい。何より大切なのは、できるだけ早い段階で自分の体に目を向け、ライフプランの目安となる数値を知ることだと思います」