朝の番組のなかで今もっとも高視聴率の「羽鳥慎一モーニングショー」。番組の舵を取る羽鳥慎一氏は、朝の番組を担当してはや17年になる。ハードな日々を過ごすなかで、徐々に気になってきた健康やアンチエイジング。皮膚科・アンチエイジングの分野で第一人者の川島眞医師と、責任を課せられた世代だからこその心身への意識について語り合った。
左/川島 眞 医療法人社団ウェルエイジング総院長 東京女子医科大学名誉教授
右/羽鳥慎一 フリーアナウンサー

責任世代の健康意識

【川島】今朝も「羽鳥慎一モーニングショー」、お疲れさまでした。いつも通り、コメンテーターの方からどきっとするコメントも出ていましたが、羽鳥さんがうまくまとめたり、切り返したり。フォローもされていますね。すごいな、と思う反面、ご苦労も多いのではないかと推察しています。

【羽鳥】全体の流れを考えて喋ってくれるコメンテーターはいませんね(笑)。けれども、いい意味で不規則発言をされるコメンテーターの方々のおかげで、番組を多くの方に見ていただいていると思います。「自由に発言しても大丈夫ですよ」という雰囲気にしていければと心がけています。

【川島】羽鳥さんとは家族ぐるみでのお付き合いもさせていただいていますが、今まであまり仕事や健康のことなどを話したことはなかったですね。朝の番組はもう17年になるそうですが、体調はいかがですか。

【羽鳥】自分なりに睡眠や食事には気を付けてきて、おかげさまで体調不良で休んだことはほとんどないのですが、健康のためには何をしたらいいか、その正解というのは難しいなと感じています。今日は川島先生にいろいろと伺おうと思って来ました。

というのも、最近突然声が掠れて出なくなったことがあり、数日番組を休まざるを得なかったんです。検査しても病気は見つからず、診ていただいた医師の方にはストレスや過労ではないかと言われたのですが、とくに今までと違う生活もしていませんし、ストレスのない人なんか、今の日本にいませんよね。

かわしま・まこと
医療法人社団ウェルエイジング・医療法人翠奏会・医療法人リアルエイジ静哉会総院長。 東京女子医科大学名誉教授、東京薬科大学客員教授。アトピー性皮膚炎をはじめ、美容、ニキビ、皮膚ウイルス感染症などの研究の第一人者でもある

【川島】しかし、責任世代になると自分で気づかないストレスというのもあり、今まではなかったさまざまな形で体に影響を及ぼすものです。

【羽鳥】自分では47歳という年齢があるのかなあ、と。声のことがきっかけで今の自分の体調や今後も元気で仕事をしていくために今何をするべきか、真剣に考えるようになりました。

【川島】いや、47歳は年齢的にはまだまだ体力もあるし、老化も顕著ではありません。しかし、その声の問題はひとつの警鐘だろうと思いますね。今まで続けてきた自分の働き方や暮らし方を見直したほうがいいよ、という。私自身も経験があります。

【羽鳥】やはり40代ですか? 川島先生は39歳と若くして東京女子医大で教授になられ、注目される研究も次々に発表されて、脂の乗りきった毎日だったのではないですか?

【川島】いやいや、そうじゃないんです。プレッシャーのある立場になってがむしゃらに頑張った結果、ストレスによって起こる体の異常に悩まされるようになったんです。血圧は上がり、肩こりや首の痛み、突発性難聴にもなりまして。そこで、仕事への姿勢を見直して少し自分の仕事のスタンスにゆとりを持たせるようにしました。

【羽鳥】川島先生にもそんなことがおありだったのですね。私も、今までは「明日でよいことも今やろう」という感じで来たのですが、「明日でもよいことは明日やろう」というゆとりを持った考え方に変えようと思っています。

若々しい印象も大切

【川島】それにしても、毎朝テレビで拝見すると、いつもスマートで爽やかですね。

【羽鳥】いや、そうでもないんです。職業柄、見た目の印象も大切ですし、体重のコントロールや睡眠には気を付けているつもりなのに、朝起きて鏡を見ると顔がむくんでいるとか、顔色が気になるときもあります。そうすると、そこに気を取られてしまう部分もあるので良くないですね。

【川島】見た目の印象が重要だというのは、アナウンサーの羽鳥さんはもちろんそうでしょうが、企業の経営者にとっても同様です。気を配っている経営者の方が最近は大変多いですね。見た目の好感度は経営者のセルフマネジメントの常識になりつつあります。

はとり・しんいち
1994年日本テレビへ入社、2011年よりフリーアナウンサーに。「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)、「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ)、「人生が変わる1分間の深イイ話」(日本テレビ)などで司会を務める。

【羽鳥】そういう方々は、どのように自分の印象を健康的に若々しく保つ方法を見つけていらっしゃるんでしょうか?

【川島】専門家である医師にざっくばらんに相談することは、その人にとって必要な正解を見つけるひとつの早道でしょう。ただ、誰にとっても肌の印象がかなり決め手になることは間違いないですね。たるみやシミなどの「光老化」には留意すべきです。

【羽鳥】ゴルフなど、紫外線にさらされることも多いですが、要注意ですね。私は日焼け止めだけは必ず塗るように心がけています。

【川島】それは素晴らしいですね。日本の男性は7割が日焼け止めを使ったことがないというデータがあるのです。皮膚癌を防ぐためにも紫外線にはぜひ留意していただきたいですね。

【羽鳥】そうなんですか。女性に比べると男性は「紫外線を気にするなんて」というところがありますが、皮膚癌のリスクもあるとなると、そんなことも言っていられませんね。

あらためてオーダーメイドの健康維持、アンチエイジングのアドバイスをいただきにまいりますね。サプリの摂り方や肌の手入れの仕方などもぜひ教えていただきたいです。

【川島】羽鳥さんの番組を楽しみにしている者としても、ぜひ今の羽鳥さんの健康と爽やかさを維持していただきたいですから、どうぞいらしてください。

健康と見た目のマネジメントを考える

第1回 責任世代があらためて持つべき健康とアンチエイジングの意識(羽鳥慎一)

第2回 今求められている人間を癒やす建築(隈研吾)

第3回 アスリートの経験が教えてくれる体重管理と見た目の重要さ(山中慎介)

第4回 ラグビーの文化が日本を変える(清宮克幸)

(インタビュー場所:メンズヘルスクリニック東京 撮影:大沢尚芳)