大人が英語を学び直すのによい方法は? 大学教授と翻訳家が、“生きた英語”を習得するのにおすすめの洋書と洋画を紹介。自身が実践する勉強法も、教えてくれました!

好きな分野で、毎日英語に触れる

日常英語の8割は中学で学んだ単語が使われています。そう、中学英語でほぼカバーできるはずなんです。でも、苦手意識を持っている日本人は本当に多い。私は学生や、TOEICで高得点を目指す社会人などに英語を教えていますが、「英語ができる」といえる人は1割程度の印象です。彼らは、毎日5分は必ず英語に触れるようにするなど、楽しみながら英語を学ぶ習慣を身に付けてきた人たち。例えばスポーツも毎日練習しなければ、試合で実力を発揮できません。練習を飽きずに続けるためには、好きなことと結びつけるのが一番。私も13歳のときに、DJに憧れて独自に英語学習を始めました。テレビドラマや洋画のフレーズをひたすら音読・丸暗記するうちに英語が自然と口をついて出てくるようになるのが楽しくて、どんどんハマっていったのです。われながら良い方法だったと思いますが(笑)、上達への近道は「成功体験を増やすこと」なのです。

1冊読み切って、自信をつけよう

写真=iStock.com/JGalione

洋書や洋画を使って学ぶ場合、大切なのは「学習ノウハウ」です。洋書は自分のレベルよりもうんと易しいものを選び、わからない単語があっても気にせずページをどんどんめくり、まずは「1冊読んだ!」という成功体験をゲットしてください。それが自信につながります。たくさんの本に触れるうちに、「わからない単語」がまたひょっこり現れたときがチャンス。辞書で調べたらインプットは完璧です。

洋画の場合はお気に入りの1本とじっくり向き合います。スクリーンプレー(シナリオ集)が発売されている作品がベター。まず日本語字幕で全編を見てあらすじを頭に入れる。次は英語字幕で見て、気になった単語やフレーズが出てきたら一時停止して、ノートに書き留める。さらに音読すると効率的に脳に定着します。何回も見て、場面を思い浮かべながら登場人物と同じセリフをスラスラ言えるようになれば、しめたもの。

英語習得のコツはネチネチ、ちまちま、ウジウジ付き合うこと(笑)。「半径1m以内に英語がある生活」を毎日気軽に楽しみ、実践する機会を定期的に設けること、これにつきます。友達をつくるようにこちらから英語に近づいて、どんどん仲良くなってくださいね。

“生きた英語” 習得 POINT
1 わからない単語があっても読み飛ばし、とにかくたくさんの易しい洋書に触れる
2 お気に入りの映画は主人公になりきる
3 日常生活で英語に触れる機会を意識的に増やす