結局、いくら必要? 私が備えるべき老後資金は?

モデルケース別に、おひとりさまの老後のシミュレーションをみてきたが、具体的に自分はどれだけ老後資金を備えたらいいのかを計算してみよう。

独身おひとりさま、夫と死別おひとりさま、離婚おひとりさまと3タイプ別に老後資金をシミュレーションしてきたが、実際に、自分がひとりになってから必要な金額を計算してみよう。

総務省の「家計調査年報」(2017年)によると60歳以上の高齢単身者無職世帯の1カ月の実収入は11万4027円。支出合計が15万4742円で、毎月4万715円の赤字となる。支出の内訳では、食費が最も多く、税金や社会保険料も収入の1割ほどを占める。ただし、これは全国平均の値なので、おひとりさま期間を都市部で暮らす人は、生活費がもっとかかることを想定しておくべきだろう。持ち家でない人は、家賃分も考えておかないといけない。

▼おひとりさま老後の1カ月平均収支
【実収入】114,027円(内・社会保障給付 107,171円)
【税・社会保険料など】▲12,544円
【消費支出】▲142,198円
【不足分】▲40,715円
【支出の内訳】
・食料 35,418円
・教養娯楽 16,852円
・住居 14,538円
・交通・通信 13,148円
・光熱・水道 12,989円
・保健医療 7,936円
・家具・家事用品 6,098円
・被服及び履物 3,808円
・その他 31,412円
※総務省「家計調査年報」(2017年)を参考に60歳以上単身無職世帯の月の収支を編集部で作成。

早速、計算式に書き込んでみよう。「日常生活費」は95歳を寿命として、自分がおひとりさまになる年数分を想定して合計を出す。家賃もここに含める。

さらに必要となるのが、「一時的な費用」で、医療・介護費や趣味にかかるお金が相当する。老後ひとり分の医療・介護費としては、500万円くらいを目安にしておきたい。

趣味・その他の支出は、ライフスタイルによって大きく金額に差が出る。「毎年、海外旅行に行きたい」「ダンスを習っていて月謝や発表会にお金がかかる」など、どんな老後ライフを過ごしたいかがポイントになる。リフォームを予定している人は、その費用もここに盛り込んでおくといいだろう。

一方、収入源となるのは、年金、退職金、個人年金など。公的年金の概算は計算式にある早見表から算出し、企業年金や退職一時金は勤務先の規定に従って記入する。その他の収入は、不動産や株などの副収入などがあたる。

この支出から収入を差し引いた額が、あなたがこれから備えておくべきおひとりさま老後資金となる。おひとりさま老後を安心して過ごせる金額がはっきりすれば、その資金づくりの具体的な計画も今から立てられるはずだ。

▼おひとりさま老後資金を計算してみよう

老後資金を出すには、まずは支出と収入を明確にしておくこと。生活費だけでなく、医療や老後の楽しみとなる趣味のお金も忘れずに。さて、あなたのおひとりさま老後資金はいったいいくらに?

國場弥生(くにば・やよい)
ファイナンシャルプランナー
証券会社勤務を経てファイナンシャルプランナーに転身。プラチナ・コンシェルジュ取締役。個人相談、書籍や雑誌・ウェブサイトで幅広く活躍。All Aboutマネーガイド。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。