里親になるのに「特別な資格」は必要ない

里親には大きく3種類ある。親と暮らせない子どもを一定期間預かり育てる「養育里親」、特別養子縁組を前提として育てる「養子縁組里親」、両親が死亡したりした場合に、祖父母などの親戚が子どもを育てる「親族里親」だ。いずれも里親と子どもの間に戸籍上の親子関係は生まれず、委託されると、子どもの生活費や医療費、里親手当などが支給される。

▼「里親」の種類
・養育里親
家族と暮らせない子どもを一定期間、自分の家庭に迎え入れて育てる里親。各自治体で積極的に募集を行っている。養育里親には、虐待や障害、非行などのため専門的な援助を必要とする子どもを預かる「専門里親」もある。
・養子縁組里親
特別養子縁組を行うことを前提として子どもを育てる里親。
・親族里親
両親が死亡したり行方不明になったりした場合に、祖父母などの親戚が子どもを育てる里親。

養育里親の場合、預かる期間は、実の親の状況によりさまざまだ。子どもが親のもとに戻れるようになるまで数週間、数カ月のこともあれば、数年、十数年に及ぶこともある。

里親に特別な資格は必要なく、一般的に年齢や収入の制限はないが、自治体によっては「生活保護世帯でないこと」「65歳未満が望ましい」などの条件がある。児童相談所による面談や家庭調査、研修を受け、児童福祉審議会などで認められると、里親名簿に登録される。

現在子どもを委託されている里親を見ると40代以上が多く、60歳以上も3割を占める。16年3月時点では、共働きが36%で、ひとり親も13%いる。

ただ、里親に登録しても、すぐ子どもが委託されるとは限らない。子どもの年齢やバックグラウンドなども考慮するため、マッチングは簡単ではない。また現状では、マッチングや委託後の里親支援を担う児童相談所の体制が不十分な自治体もある。養育里親に登録されている8445世帯のうち、子どもが委託されているのは3043世帯だ。

厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課の加藤泰士さんは、「里親登録数をもっと増やさないと、委託できる子どもは増えない。関心がある人はぜひ、最寄りの児童相談所に連絡してほしい」と訴える。

山本准教授は「日本は血縁意識が強く、他人の子を育てることは、まだ一般的でない。しかし、つらい境遇に置かれた子どもは、社会全体で育てようという意識が必要ではないか」と話している。

写真=アフロ