──社員のみなさんの反応はどうですか?
【松本】これまで積極的に上のポストにいきたいと思う女性は比較的少なかったのですが、これからは誰にでもチャンスがあるという意識の変化が起こったようです。実際に、有期雇用だった人が自ら社内公募のポストに手を挙げて、その結果、18年春以降役割等級が2つ上に登用されるというケースもあります。そうなると周りの人たちが影響を受けるようになり、「私も手を挙げようかな?」という動きも出はじめています。
──パートタイマーなどの短時間勤務だった人は、今回の制度変更でどう変わるのでしょうか?
【松本】旧メイト社員は、勤務時間の幅が細かく設定されていました。新制度導入後は、各社員の置かれている状況に合わせて働き続けることができるよう、労働時間や勤務スタイルのバリエーションを増やしました。それに併せて会社全体も旧制度より年間所定労働時間を30時間短縮しました。女性が働きやすい環境に整えることをきっかけにして、会社全体も変わるということです。
──今後、女性社員に望むことは?
【松本】企業は変革期にあります。常識を疑い、柔軟な思考で新しいことにチャレンジする人が必要なのです。人材不足だから女性の労働力に頼るという時期は既に過ぎており、多様な考えや価値観を持った、自律的でダイナミックな人がどんどん出てきてほしい。今はかつてないほど女性が活躍しやすい、追い風の時代が来ていると思います。
構成=荒井 菜水子 撮影=強田 美央