なぜ元日テレ社員は落語を楽しめる小料理屋を開いたか
東京・秋葉原に「やきもち」という店がある。お酒や料理とともに生の落語を楽しめる小料理屋だ。店を1人で切り盛りするのは、日本テレビでディレクターをしていた中田さん。朝の情報番組を振り出しに、ドラマ、バラエティとさまざまな現場を経験してきた。
「ドラマ志望だったので、バラエティに異動になったときは、毎日非常階段で泣いていました」
そんな中田さんに笑顔が戻ったのは34歳で「笑点」の担当になったとき。落語と落語家の魅力にはまり、プライベートでも近所のバーに頼まれて落語会のセッティングをした。公私ともに落語漬けの幸せな日々だったが――。
「35歳で編成部に異動になってしまって。そこは、番組のタイムテーブルを作るデスクワークだったんです。私には無理……と、退職を決意しました」