子育てを経た高度女性人材は、企業にとっても魅力的

「職歴=社歴」と評価しがちな日本では、一度離職するとキャリアは0カウントになり、人材としての評価が下がってしまう。だが米国では再就職希望者側が自らの職業経験を詳細に文書化して開示し、自らを再教育して備えることで、企業は空白期間の長さのいかんにかかわらず公正に職歴とスキルを評価し、採用に至る。自分の職歴を詳細に書き留めておくことが、インターン採用成功の秘訣なのだという。

コーエンさんは、著書『Back On the Career Track』で、女性たちに再就職のために必要なスキルなどを語っている。

また、長いブランクを経てスキルが陳腐化していないか、との疑念にも、コーエンさんは否定的だ。「女性のSTEM(科学・技術・工学・数学領域)人材には高い需要があります。テクニカルなスキルとはあくまでも状況的なもの、時代の流行にすぎないので、個人的なアップデートが可能です」

技術系人材の間では、スキルのアップデートは自分の時間とお金を使った自己責任。「パニックになる必要はありません。基本的なITスキルは就職活動の段階で持っておくべきですが、ほかのスキルはキャリアブレークの最後のほうでキャッチアップすれば十分なんです」。基本的なスキルはウェブや家電量販店で提供されるような短期コースで十分な場合が多く、また専門性が高い職能の場合は、その業界内で研修コースや勉強会が設けられているのを活用したい。

もちろん、それでも採用マネジャーによっては、子育てを経た女性の採用にためらう人がいる。だが「iRelaunchが持つ200の成功事例に雇用者側が刺激を受けて、女性の再就職インターンシップ採用へと動くことも多いのですよ。子育てを経た女性の再就職者は個人的にも熟成した感覚と高い能力を持ち、やる気に満ちている。私たちは、高度女性人材が子育てを経て再就職することが企業にとって非常に魅力的であるとの理解を広めてきたのです」。