仕事がデキる人は、おいしく信頼のおける店を知っている。ビジネスランチでスマートに相手をもてなす極意は、3つ──「個室でゆっくり話ができること」「心地よいサービスを受けられること」「利便性がよいこと」。本記事では、これらの条件を満たした使い勝手のいい店を、東京の新名所「東京ガーデンテラス紀尾井町」から3店、厳選して紹介する。

フレンチサーブスタイルの麗しい中華
「ザ・シノワ テイスト オブ カントン」

ザ・シノワ ランチコース5800円(税・サ料別)の一例。メニューは季節によって変わるので、ホームページで確認を。予約時に伝えれば、ベジタリアンメニューにも対応してくれる。
コースは、7皿。この日のメニューは前列より、シェフおすすめの香港スタイル特製前菜/点心師おすすめ本日の蒸し点心3種/雲南ポルチーニ茸の芳醇な香りと中国乾貨の薬膳蒸しスープ/ホタテの香り焼きと豆苗のニンニク炒め、広東グリーン野菜のペッパーソース/山形牛サーロインとなつめ、キノコのブラックペッパー炒め/鶏肉と香港塩漬け魚“馬友”入りレタスチャーハン/フレッシュマンゴープリン。

まずは、以前からビジネスランチにふさわしいジャンルとして、プレジデントオンラインが注目している中国料理から。世界最高品質の干しアワビ料理、フカヒレ料理を看板に掲げる店である。

総料理長は、簗田 圭さん。店名に掲げたように伝統的な広東料理と、世界に影響を与えているシンガポール・チャイニーズのエッセンスとを融合させた、ドラマティックでモダン、しかし繊細な味わいの新広東料理を、簗田流のオリジナリティ溢れる中国料理へと昇華させている。

“乾貨”と称される干しアワビなどの乾物、中国料理に欠かせない調味料などは、総料理長自ら香港やシンガポールに赴き、現地で調達。味づくりの根幹にある乾物や調味料は一切妥協しない、という徹底した姿勢が、この店だけのおいしさを編み出し、食べた人を虜にしているのだ。

ビジネスランチにお薦めしたいのは「ザ・シノワ ランチコース」5800円。香港スタイルの前菜盛り合わせから始まって、点心師おすすめの蒸し点心3種と続く。そう、この店は点心も自慢なのである。点心師による手作りの点心は、もう1個食べたい衝動に駆られるものばかり。

そして、簗田総料理長の真骨頂、旬の食材にフォーカスしたスープが登場する。取材時は初秋、この日は中国乾貨の薬膳蒸しスープが供された。「雲南省産の干しきのこ6~7種を一晩かけて戻したスープ“湯”がベース、“湯”は中国料理の滋味の要です。うちでは上湯などの動物系のスープ、野菜のスープなど、5種類の“湯”を常備しています」と総料理長。中でもきのこ湯は手間暇がかかることから、常備している店は少ないのだそう。ベジタリアンも大満足のスープを用意できる、と自信をのぞかせた。

その後、海鮮、肉、ご飯ものと進むが、野菜も含めた生鮮食材は全国から厳選。素材の鮮度のよさを感じる料理が続く。デザートのフレッシュマンゴープリンに至っては、生のマンゴー以上のフレッシュな味わいに舌を巻くばかりだ。

中国料理ながら銘々に一皿ずつ供されるサービスは、スマートに演出したいビジネスランチにうれしいスタイルである。このほか、時間に余裕がないときは、飲茶ランチコース3600円もお薦め。さらに、時間的にも予算的にも余裕があるときは、シェフおすすめのスペシャルランチコース8800円はいかがだろう。ザ・シノワのディナーコースから品数と量を抑えてセレクトしたランチ限定のコースで、簗田総料理長自慢のフカヒレやアワビも堪能できる。

陽光あふれる、デザイン性の高い店内。ビジネスランチにふさわしい料理とサービスに、招く側も招かれる側も満足するに違いない。
■ザ・シノワ テイスト オブ カントン
東京都千代田区紀尾井1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井テラス3階(達磨坂テラス)
TEL.03-6256-9881
[営]11:00~14:30(L.O.)  17:30~21:30(L.O.)
個室3、半個室1/英語メニューあり/ベジタリアン、ヴィーガン対応可(事前予約が望ましい)/貸切可/禁煙
ホームページ http://www.thechinois.jp/