投資家の厳しい声こそ次の成長への糧にする

──IR活動の現状に対し、投資家やアナリストの評価はどうですか。

【千葉】銀行業の貸出金残高などは月次データも翌月には開示し、おかげさまで情報のスピードとクオリティ、それに和英同時開示の公平性が、高い評価をいただいています。日興アイ・アールの「2015年度 全上場企業ホームページ充実度ランキング」では約3600社中、19位を獲得することができました。

当社の事業や経営に対しては、面談で厳しいコメントもいただきますが、それも誠実に心で受け止め、毎週1回、経営陣の会議でシェアし、既成概念にとらわれない金融グループとして多様なアイデアを検討の俎上(そじょう)に載せます。ステークホルダーの皆様と一つのビジョンに向かって共に成長していければと考えています。

──今後のIR活動に向けて抱負をお願いします。

【千葉】昨年、当社のIRチームは米国で現地の機関投資家からIRのあり方について直接レクチャーを受ける機会を得ました。そこでの“生の声”を今後の活動にしっかり生かしていきたいですね。当社の事業規模が拡大しても、常に“Integrity”をモットーに投資家の皆様とコミュニケーションしていきます。そして、時代の変化に伴いJトラストグループがどう変わっていくべきか語り合い、アイデアをいただき、ご支援を得て、一段と高みを目指したいと思います。

国内、そしてアジアでビジネスを展開するJトラストグループの事業拠点

 

 

国内金融事業
銀行等の金融機関と提携した信用保証事業を行う日本保証、クレジットカード事業のJトラストカード、サービサー事業のパルティール債権回収の3社を展開。国内事業を土台に、グループ全体として総資産は2008年度からの8年間で42倍に。2013年の新株予約権無償割当(ライツ・オファリング)で調達した976億円は国内最多額。

 

韓国金融事業
2012年、現地で銀行免許を取得し、JT親愛貯蓄銀行を設立。現在15の支店網をもち、インターネットバンキング、スマートフォンバンキングなど、最新システムを駆使する韓国貯蓄銀行業界のリーディングカンパニー。さらに2015年、欧州大手のスタンダードチャータードグループから韓国の貯蓄銀行とリース/割賦会社を取得し、JT貯蓄銀行とJTキャピタル(リース業)として事業展開。またサービサー会社のTA Asset Managementを擁し、進出から3年間で営業資産は7倍に。

 

東南アジア金融事業
2013年、金融事業での東南アジア進出を目的として、シンガポールにJトラストアジアを設立。次いで2014年末、インドネシアの破綻した銀行を同国預金保険機構より取得し、Jトラストインドネシア銀行として再生に着手。現在62の支店網をもち、中小企業向けローンや外国為替業務を含む総合的な金融サービスを提供。インドネシア証券取引所に上場し、総資産約13兆ルピア(約1,200億円)。

日経IR・投資フェア(2016年8月26日、27日開催)に参加。
場所 東京ビッグサイト
ホームページ http://ir.adnet.jp/