“お見合い離婚”を避けるために

「マサオさん、そんなことがあったんですね……。確かに、多くの結婚相談所では交際開始から3カ月で、結婚の決断を迫ってきますよね。その後は結婚式の準備に没頭してしまい、お互いのこと放ったらかしにしがちなものです」「ああ、それを失敗する前に知りたかった!」

そう、仲介型の結婚相談所を利用した“お見合い結婚”の落とし穴とは、3カ月と短い交際期間で結婚の決断を迫られることが多いため、その後、実際に結婚するまでの期間が結婚式の準備だけに追われ、他のことが目に入らなくなってしまうことだ。

特に、婚活をしていると結婚が決まっただけで、「やっとこの苦行が終わる!」という開放感に支配されてしまいがちだ。だからこそ、結婚式の準備に追われようとも、2人で向き合い、互いを見つめる時間を意識的にとる必要がある。例えば、週に1度は結婚式の話題をしない日を設ける、1カ月に1度は純粋にデートだけを楽しむ、というように。

このような時間があれば、マサオさんはお互いの金銭感覚の違いが致命的なものかどうか、またお互い譲り合える余地があるかどうかを見極めるチャンスが得られたかもしれない。

しかし、これだけでは、価値観の一致、不一致を見極めるには不十分だ。婚約や結婚後に相手と別れることとなり、結局、成婚料をドブに捨てて、婚活を再開せざるを得なくなるというリスクはつぶしきれない。だから、出会いからの交際3カ月間は、プロフィールから見えてこないお互いのパーソナリティーを理解し合う時間として、大事にしなければいけないのだ。

大西明美
婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。
著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。