『竜馬がゆく』『翔ぶが如く』『坂の上の雲』……歴史小説の巨匠・司馬遼太郎が残した数々の作品。その深い時代考察と繊細な人間描写に魅了された読者も少なくないでしょう。本記事では男女別「好きな作家」ランキングとともに、時代を越えて読み継がれる、司馬遼太郎人気に迫ります。

@nifty何でも調査団が、好きな作家について調べたところ、面白い結果が出た。歴史好きに男性が多いのは周知の事実だが、近年は女性の歴史好きも増えつつある。しかし調査結果では男性の全年代に歴史小説家・司馬遼太郎の名前があるのに対し、女性の結果には影すら見えないのだ。一体このギャップは何なのか、2人の司馬遼太郎好き男性に話を聞いた。

「司馬遼太郎の最大の魅力は、エネルギッシュさと深い時代考察です」。そう語るのは、父親から司馬遼太郎を薦められ、以来その世界観にハマってしまった男性。上の世代から下の世代へ伝えたくなるというのも司馬遼太郎の特徴だ。

東京・神田の古書店街から歴史資料が消えるという伝説を残すほど膨大な資料を読み解き、フィクションを絶妙に混ぜながら書かれる司馬遼太郎作品。圧倒的な臨場感と広がり、時に資料のように淡々とした文体で、読む者を引き込むという。史実の裏付けがある綿密なディテールで、虚構を〝本物.と錯覚させる司馬遼太郎テイストが男たちの心を魅了する。

そして彼の作品には、ビジネス書にも近い感覚があると彼らは力説する。「そのときの経験値や立場によって、引き込まれる箇所が変わってくるのも、司馬遼太郎を手元に置く楽しみの一つです」

読んだときの年齢や経験値で“魅力が変わることそのものを味わう読書”を彼らは楽しんでいる。