ブルボンヌさん(女装パフォーマー)、光浦靖子さん(タレント)、松本晃さん(カルビー会長兼CEO)が、交代でお悩みに回答。仕事や私生活でモヤモヤしていることを一緒に解決してくれます。今回の回答者はブルボンヌさんです。

【今回のご相談】
次の異動で管理職に抜てきされました。評価されたのはうれしいのですが、部下の8割が男性で、女の私では反発されそう。男性部下に受け入れられるにはどうすればいいでしょう。本も読みましたが、「部下のほめ方」本はほぼ男性の読者向けですし、「男性のほめ方」本は、飲み屋のママっぽくなりそうで抵抗があります。 [40代・不動産・匿名希望]

男性部下とどう向き合う?

飲み屋のママには抵抗があるって、悪かったわね、私も飲み屋のママよ! そもそも女ですらないけど(笑)。

ブルボンヌさん

たぶんあなたは、職場の女性を飲み屋のママみたいに扱ったり、嫌なことを言ってくる男たちと戦ってきたんでしょうね。その苦労はお察しするわ。

だけど、あなたの言葉からも、同じ女性をちょっと下に見ている気配を感じるの。飲み屋もれっきとした経済活動だし、あなたとママは使っている「武器」が違うだけじゃない。なんだかあなた自身が「男社会のマインド」にからめ取られているようで残念だわ。

って、いきなり辛口になっちゃったけど、あなたのような悩みが出てきたこと自体は、とても喜ばしいこと。女性管理職を増やしている企業は、日本ではまだまだ少数派ですもんね。

ただ、「男に負けちゃいけない」と思うあまり、最終的に「男」を目指してしまうと、今度は同性から反発を招くから要注意よ。「女→男みたいに働く女」という明確なスイッチングを、女側はよく見ているの。

あなたは8割の男性部下の反応ばかりを気にしてるけど、2割の女性部下はそれをどう感じるかしら。女の強みって、男のフリをして出したパワーじゃなく、女だからこそのパワーを発揮したときだと私は思うけど……。

「私は女だてらに上司」っていう引け目がにじみ出ているのも問題ね。引け目は相手に必ず伝わるの。そして何かあったとき、「あの人、やっぱり女だから」と思われるもとになるのよ。

差別されたり、損をしてきた側の人間って、社会に対して悔しいと思うと同時に、ネガティブな経験のせいで、自分で自分を差別しちゃう傾向があるの。私たち性的少数者が卑屈になりやすいのも同じ理屈だから、あなたの気持ちはすごくわかるのよ。

だからこそ、あえて自分から不安の種を増やさないでって言いたい。

それよりも自分を信じて、「私は女かもしれないけど、まずは“いい上司”であろう」と思ってほしい。

「女だから」と言われて嫌だった経験があるなら、男の部下を「男だから」とひとくくりにしちゃダメ。本に書かれた小手先のハウツーで解決なんて、メッキ以外の何物でもないわよ。

「女の上司」「男の部下」という枠をはずして、人間関係を一から築きましょう。そうすれば部下たちも、「あの人は男とか女とか関係なく見てくれるよね」となるはずよ。ガンバ!

【ブルボンヌさんからのアドバイス】
「女だから」と言われて嫌だったなら、男も「ひとくくり」にしないで

ブルボンヌ
女装パフォーマー、エッセイスト。「週刊ニュース深読み」(NHK総合)、「ゆうがたLIVEワンダー」(関西テレビ)ではコメンテーターとしても活躍。

構成=中津川詔子 撮影=遠藤素子