安河内哲也氏による「ビジネス英語達成法」もいよいよ最終回だ。今回のテーマは、会議や交渉のときに役立つ、「相手の心をつかむ英会話術」。この7つの鉄則を明日から実践しよう!

独自の勉強法を駆使し、海外留学経験のないままTOEIC満点を獲得した安河内哲也氏に英語習得の鉄則を伺うシリーズもいよいよ最終回。会議やプレゼンで相手のハートをつかむ交渉と会話の鉄則について、ずばり答えていただいた。現在、英語を教えるだけでなく、アメリカの企業に出資して商品開発を行うなど、ビジネスパーソンとして実践的な英語を日々使っている安河内氏は、相手の心をつかむ前提を、こう語る。

「英語で相手を説き伏せる必要があるときに大事なことは、時制や語法などの正確さにこだわることではなく、ボディランゲージであり、パッションであり、その人が持つオーラです。本やCDなどの教材で覚える英語と、実際に金銭が動くビジネスの現場で使う英語は違うと肝に銘じましょう」

ビジネスパーソンが身につけるべきなのは後者の英語だ。そんな英語を習得するための鉄則と解説を、安河内氏に開陳いただこう。

安河内哲也●やすこうち・てつや

東進ビジネススクール英語講師。数多くの大学受験生を合格へと導いてきたカリスマ人気講師。TOEICテスト4技能1390点満点、文部科学省の審議会の委員や中高一貫校の英語科顧問も務めている。『できる人の勉強法』(KADOKAWA/中経出版)など著書多数。
 

鉄則1 まず、謙遜の美徳を捨てるべし
Don't be reserved.

「日本人には謙遜の美徳というものがあります。しかし、外国人と話し合う真剣勝負の現場では遠慮は捨て去るべき。何よりも、自分のアイデアの良さを押し出すことが大事であり、それを示さなくてはなりません。控えめにしていると、自信がないとみなされて、せっかくのアイデアをスルーされてしまう。仮に製品のプレゼンテーションなら、『この商品こそが世界を変える』というくらい強く語らないと伝わらない。逆に、非常に高い志や夢は、どこの国の人の心をも揺さぶるものです」

さあ、大きな自信を持てたら、次の鉄則。キーになるのはやはり、「大きい」ということだ。

鉄則2 通じないのは聞こえないから
Speak in a loud voice.

「自信を持っていることをしっかり伝えるためにもっとも重要なことは、きわめて単純。ずばり、大きい声で話すべし。ジャパニーズ・イングリッシュで構わない。三単現の“s”が抜けてもいい。身振り手振りをまじえて大きな声で話さなければなりません。日本人は、相手がぽかんとしていると自分の発音が悪いために通じていないと思う。しかし、通じないのは、聞こえていないからということも多いのです」

では、ここからは話し方のコツへ。

鉄則3 説得するには目を見て話せ
Make eye contact.

「会議の参加者の中に、あなたの言うことに納得をしていない人がいたら、あえてその人の目を見つめ、熱心に語るべきです。また、視線を参加者全員に配ることもとても重要です。原稿を読むだけのプレゼンはNGだということは忘れずに」

ただし、気をつけるべきポイントもある。