理想の家の姿は、まさに十人十色。家族のかたちに合った快適な家を実現するためには、どうすればいいのでしょうか。住み心地のよい、幸せになる「家」づくりを実現する方法を紹介しましょう。

PRESIDENT 住宅&住宅設備特集

幸せになる「家」をつくる

家族構成やライフスタイルの変化にも対応できる 長く住み続けられる家づくり
建築家・日本女子大学教授 篠原聡子さんインタビュー

消費税10%へのカウントダウンが始まった 住宅購入は消費税8%のうちが有利

積水ハウス イズ・シリーズ
美しい佇まいに込められた変わらぬ価値

パナホーム エコ・コルディスII
スマートハウスを進化させた業界初、「HEPAフィルター」搭載換気システム

ミサワホーム INTEGRITY
光と風をシンプルに美しくデザイン 住宅デザインは、ひとつ上のクオリティへ


住宅選びで重視されるのは「耐震性能」「耐久性」「省エネ性能」などが上位に挙げられるが、大切なのはそればかりではないと、建築家で日本女子大学教授の篠原聡子さん。人生80年の長寿社会における家のとらえ方、そして増加する共働き世帯にとっての住みやすい家づくりのポイントをうかがった。

長期的・戦略的な
家づくり

将来、夫婦2人暮らしになったとき住宅の空きスペースをどう使うか

篠原聡子●しのはら・さとこ
日本女子大学家政学部住居学科教授。1981年、日本女子大学住居学科卒業、1983年、日本女子大学大学院修了、1986年、空間研究所設立。2010年より日本女子大学住居学科教授。2014年、日本建築学会賞(作品)を受賞した。主な著作に、『住まいの境界を読む 新版 人・場・建築のフィールドノート』(彰国社)、『おひとりハウス』(平凡社)など。

かつて家督の継承が重んじられた時代には「家」は代々受け継がれるものでした。しかし、核家族化が進んだ現代では、一家族が一住宅で一世代限りというかたちが一般的になっています。

また、家を求める場合、たいていは子供が生まれ、家族の人数が最大になったときを想定し、住宅の規模や間取りを考えます。そのため子供たちが独立し、夫婦2人になると、家の半分近いスペースが使われなくなるという状況が起こってきます。

そのようになったとき、夫婦2人の暮らしに見合った家に建て替えたり、住み替える例も見られますが、今の先行き不透明な経済状況から考えると、それが将来的に容易かどうかは何ともいえないところです。

私は、建てた家にできるだけ長く住み続けようと思うなら、建てる前に長期的・戦略的な家づくりを考えてはどうかと思います。

例えば将来、夫婦2人暮らしになったとき、住宅スペースの一部を夫婦の居住部分と切り離し、他者に間貸しできる家にする。あるいは、定年退職後に夫や妻のSOHOスペースとして、居住スペースから独立させて活用するなどといった考え方です。

将来、発生するであろう住宅の空きスペースの活用法を、あらかじめ想定した家。それがここでいう長期的・戦略的な家づくりです。すでにマンションでは、専有スペースのうちワンルームを切り離して間貸しし、家賃収入を得られるようにした物件が出てきています。

二世帯住宅ほどの規模があれば、将来はシェアハウスのようにして、仲の良い友人夫婦と支え合って暮らすことも考えられるでしょう。子供の成長期ばかりではなく、その後の人生をどう送るか。夢をふくらませ、夫婦でいろいろなパターンを想定してみると、希望する住宅のイメージもだんだんはっきりしてくると思います。