理想の家の姿は、まさに十人十色。家族のかたちに合った快適な家を実現するためには、どうすればいいのでしょうか。住み心地のよい、幸せになる「家」づくりを実現する方法を紹介しましょう。

PRESIDENT 住宅&住宅設備特集

幸せになる「家」をつくる

家族構成やライフスタイルの変化にも対応できる 長く住み続けられる家づくり
建築家・日本女子大学教授 篠原聡子さんインタビュー

消費税10%へのカウントダウンが始まった 住宅購入は消費税8%のうちが有利

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光と風をシンプルに美しくデザイン 住宅デザインは、ひとつ上のクオリティへ


次の消費増税は2015年10月に予定されている。住宅を建てるなら、確実に8%になるには来年3月末までに契約を。スケジュールをにらんで早めに計画を進めよう。

消費増税が来年10月なら
8%適用は3月末の契約まで

この4月に8%に引き上げられたばかりの消費税は、次の10%への引き上げに向けて、すでに議論が始まっている。政府の予定どおりなら、次の増税は2015年10月。特に住宅購入には影響が大きいので気になるところだ。

住宅購入で消費税がかかるのは建物部分で、土地部分には消費税がかからない。とはいえ、建物の価格が3000万円なら、消費税が2%上がるだけで60万円の負担増になってしまう。

今から住宅を買う場合、税率が8%になるか10%になるかは、原則として住宅の引き渡し時期によって決まる。ただし、住宅建築には経過措置があり、増税の日の6カ月前(指定日)の前日までに建築請負契約を済ませていれば、引き渡しが増税の日以降になっても税率8%が適用される(図表1参照)。

10%への増税が2015年10月1日とすれば、確実に8%が適用される期限は同年3月31日。スケジュールは意外にタイトなので注意したい。

なお、この経過措置は戸建ての注文住宅に限らず、マンションや建売住宅の場合でも、壁の色やドアの形などについて特別の注文をすることができるような場合にも適用される。

住宅ローン控除は変化なし
すまい給付金は拡充予定

消費増税の見返りとして、この4月に大幅に拡充されたのが「住宅ローン控除」だ(図表2参照)。

これは、住宅ローンの年末残高の1%にあたる所得税が戻ってくるしくみ。この拡充により、年間で最大40万円の税金が戻るから効果は大きい。

この4月に消費税が5%から8%に増税された際、税率8%が適用された人はこの拡充の恩恵が受けられた。ただし、次の10%への増税に際しては、新たな拡充は予定されていない。

一方、住宅ローン控除の拡充と同時にスタートした「すまい給付金」は、増税後に拡充される予定だ(図表3参照)。この制度は、住宅ローン控除は収入が多くて多額のローンを組める人に有利なことなどから、これを補完する目的で設けられた。収入が一定以下の人が対象になり、条件に合えば住宅を現金で購入した人も対象になる。

例えば年収約600万円の人は税率8%なら対象外だが、10%に上がったあとは申請すれば20万~30万円の給付金を受け取れる。

次の消費増税では、すまい給付金など制度拡充のメリットより、増税のデメリットのほうが大きくなるケースが多そうだ。住宅を買う予定がある人は、消費増税に関するニュースと物件価格動向の両方をにらみながら、購入のタイミングを検討しよう。

(文・有山典子(マネージャーナリスト))