かなり曖昧な「内親王」という立場
皇室外交の面だけではなく、愛子内親王は国内でも各地を訪れ、数々の公務を果たしている。
一方、秋篠宮家の悠仁親王はまだ大学の2年生で、携わる公務も限られている。大学の授業が続く間は学業が優先される。
その点で、愛子内親王は最も若い女性皇族として活躍の場を広げている。本人も生き生きと、そうした活動を展開しているように見える。しかし、その将来となると、はっきりしているとは言い難い。重責を果たしたことに見合うだけの将来が約束されているとは到底言えない状況にある。その点については、あまり関心も向けられていないと言ってもいいだろう。
歴史を振り返ったとき、内親王という立場はかなり曖昧である。男性の親王なら天皇に即位する可能性があるし、出家して法親王となり、仏教の世界で重要な地位を占めてもきた。
一方、内親王には、伊勢神宮の斎宮や賀茂神社の斎院として神に仕える道や、出家して尼門跡となる道などがあった。斎宮や斎院の務めを終え、退下した後も、結婚せずに生涯を過ごした内親王も少なくなかった。
戦後になると、内親王は結婚して皇室を離れるのが一般的になった。愛子内親王と同じく、天皇の娘として皇室外交を担い、その後結婚して皇室を離れた近年の例としては、今上天皇の妹である黒田清子氏がいる。
ただ、愛子内親王の女性皇族としての活動の幅や実績、さらには国民の間での人気を考えると、果たして黒田氏のような道をたどることができるのか、そこにはかなりの難しさがある。愛子内親王に見合うだけの男性は、果たして現れるものだろうか。
改正皇室典範が女性皇族の結婚の壁に
10月24日に施行された改正皇室典範では、女性皇族が結婚後もその身分を保持できるようになったものの、配偶者や子どもは「一般国民のまま」という中途半端なものになってしまった。高森明勅氏などは、宮中三殿の殿内(内陣)には一般国民は立ち入ることができないため、女性皇族と結婚した男性が自らの結婚式に同席できない可能性まで指摘している。
結婚後の生活となると、より問題が大きくなることは目に見えている。果たしてそうした生活を、女性皇族は望むのだろうか。
黒田武一郎宮内庁長官は、改正された皇室典範について、天皇や上皇、秋篠宮、そして養子を受け入れる可能性のある4つの宮家に対して、その中身を説明したと報道されている。
しかし、未婚の女性皇族に直接、説明に出向いたとは伝えられていない。当事者への説明は果たして十分なのだろうか。愛子内親王も佳子内親王も、自分たちの将来を決めかねない重要な出来事について、蚊帳の外におかれてしまっているのではないだろうか。