会議で話しやすい雰囲気を作るにはどうすればよいのか。編集者の藤吉豊さん、小川真理子さんが書いた『「聞く力のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)から紹介しよう――。

話しやすい環境を整える

point 環境が変わると、話しやすさも変わる

「周囲に人がいると本音を言いにくい」「無機質な会議室では緊張しやすい」など、「どこで話すか」によって、相手の話しやすさは変わります。

◆話しやすい環境を整える3つのポイント

(1)狭すぎず、広すぎない

狭い場所では物理的な距離が近くなるため、相手が圧迫感を覚えます。とくに沈黙が流れたとき、「逃げ場がない」と感じる人もいます。一方、広すぎる場所では心理的な距離まで遠く感じやすく、どこか他人行儀な会話になりがちです。

(2)閉塞感が強すぎない

窓がない部屋では視線の逃げ場が少ないため、緊張感が高まります。閉じ込められているような感覚になり、「話しにくい」と思う人もいます。反対に、全面窓の部屋では、外の景色や人の動きが気になり、会話に集中しにくくなることがあります。

(3)集中を妨げる要素を減らす

騒がしい場所では、相手の声を聞き取ることに意識が向き、話の中身に集中できません。静かすぎる場所では、沈黙や小さな物音が気になり、緊張が高まることもあります。

暗い場所では表情が見えにくく、明るすぎる場所では落ち着きにくくなります。寒い・暑い、ものが散らかっているといった環境も、会話への集中を妨げます。相手が安心して話せるように、音・明るさ・温度・清潔感を整えておくことが大切です。

散らかった会議室のテーブル
写真=iStock.com/Caiaimage/Chris Cross
※写真はイメージです

テーブルの上に置いてはいけないアイテム

聞き方の名著100冊のうち、「聞くときの環境」について言及していたのは12冊でした。その中では、「テーブルの上にスマホや携帯電話を置かない」という指摘も目に留まりました。

聞き手のスマホが目に入るだけで、話し手は、「この人は話に集中していないのではないか」と感じてしまうことがあります。

「イギリスのエセックス大学で心理学者らが行った研究によると、テーブル上に携帯電話があるだけで、たとえ音が鳴っていなくても、そのテーブルに座った人たちは互いに親近感を抱くことはなく、大切な話や深い話をしたいとは思わないことがわかりました」
(ケイト・マーフィ『LISTEN』/日経BP)

また、飲み物や食べ物に言及している本もありました。

「打ち合わせにお菓子を用意するとコミュニケーションがよくなる」
「冷たい飲み物よりも、あたたかいものを飲みながら接したほうが好印象を与えやすい」
「喉が渇いていたり、お腹が空いていたりすると大事な話がしにくい」

といった指摘です。

スマホをしまう。飲み物を用意する。相手が落ち着いて話せる状態をつくる。そうした場所への配慮も、聞き方の一部です。