直系の「愛子天皇」で合意
かねて上皇陛下が、「ゆくゆくは愛子(内親王)に天皇になってほしい」という直系継承を願うお気持ちを、平成時代に周囲に語っておられた事実が知られている(奥野修司氏『天皇の憂鬱』平成31年[2019年]、新潮新書)。これについて先ごろ、この事実を紹介した奥野氏自身が追加の証言をされている(『週刊新潮』9月17日号)。
「記述した内容は16年(平成28年)、上皇さまと極めて近しい立場にある関係者から聞いたものです。それ以外にも複数の人物が、ご在位中の上皇さまから同じニュアンスのお話を伺っていました」と。
天皇陛下も小泉純一郎内閣当時、政府が女性天皇・女系天皇を認める制度改正に踏み出そうとした場面で、敬宮(愛子内親王)殿下のご即位の可能性を踏まえて「慎重に進めてほしい」と望まれていた。秋篠宮殿下も「その方向でよい」と賛同されたことが伝わる(「読売新聞」7月18日付)。
高貴な精神を受け継ぐ直系継承
秋篠宮殿下は、悠仁親王殿下がお生まれになり時代が令和にうつっても、皇室の中枢である内廷に加わることを控えて「皇太子」類似の称号も辞退され、傍系の表示である「秋篠宮」という宮号を自ら維持された。さらに悠仁殿下の皇位継承を予想する記者の質問には、これまで無回答を通されている。
これらはすべて、天皇皇后両陛下にお子さまがおられる以上、直系による継承をめざすのが筋だ、というお考えを秋篠宮殿下ご自身がお持ちでなければ説明できない。
皇室が大切にしておられる「国民と苦楽を共にする」「人々の気持ちに寄り添う」という高貴な精神・気風を次代にしっかり受け継ぐためには、皇位が“天皇からその子”へと直系で継承されることが最も望ましい。
天皇陛下、上皇陛下、秋篠宮殿下にとっては、直系の「愛子天皇」を妨げ、皇位継承の将来を行き詰まらせる“男系男子”限定の欠陥ルールに固執することなど、厚葬や土葬に執着する以上に、あってはならないことだろう。
1957年、岡山県生まれ。国学院大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得。皇位継承儀礼の研究から出発し、日本史全体に関心を持ち現代の問題にも発言。『皇室典範に関する有識者会議』のヒアリングに応じる。拓殖大学客員教授などを歴任。現在、日本文化総合研究所代表。神道宗教学会理事。国学院大学講師。著書に『「女性天皇」の成立』『天皇「生前退位」の真実』『日本の10大天皇』『歴代天皇辞典』など。ホームページ「明快! 高森型録」