※本稿は、岩田かおり『お手伝いで自分から楽しく学べる子になる戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
「チーム」になるために家事がある
大変な時期に助けてくれた人との絆は本当に強くなります。
仕事で考えてみるとわかりやすいと思いますが、自分がギリギリの状態で進めているプロジェクトを同僚が「手伝うよ」と言ってくれたら、とても感謝しますよね。逆に、自分の大変さを見て見ぬフリをされたら、腹立たしく思うはずです。
産後の時期に「夫が手伝ってくれなかった」ということが恨みとして残りやすいのは、ホルモンバランスにもよりますが、「大変な時期に、自分の気持ちをまったくわかってくれなかった!」という思いが原点になっているのでしょう。大変だったときに相手が協力してくれなかったことを人は根に持ちやすいのです。
言い換えると、大変な思いをしているときはチームとなりやすいタイミングでもあります。家事はチームをつくるためにとてもよいきっかけになります。
買い物帰りの家族のオペレーション
わが家はリビングが2階にあります。夏の暑い日などに買い物から帰ってくると、もうクタクタ。スーパーでも歩き回っているし、子どもがまだ家にいるときは5人分の大量の食材を買い込んで腕がもげそうになっていました。
自宅に辿り着くだけでヘトヘトになっているのに、2階に荷物を持って上がる気力も体力ももうない。そんな自分が大変な思いをしているときに、家族の誰かがリビングのソファでゴロンとしていたら、とてつもなく腹が立ちます。
だから、私が買い物から帰ってくると、家にいる家族がバーッと玄関に集合して、買い物袋を冷蔵庫に運ぶというオペレーションになっています。冷蔵庫は何をどこに入れればよいかわかるように仕組み化しているので誰でも収納できます。
最初の頃は、私から「集合お願いしまーす!」と声をかけたり、子どもの好きなおやつを買ってきて「手伝ったらいいことがあるかも」と思わせたりする作戦をとっていました。
しかし、冷蔵庫に運び入れるオペレーションが当たり前になってくると、自分はチームの一員だという自覚が芽生え、自ら参加するようになります。
こうしたサポートが当たり前になった背景には、私自身も子どもたちが大変なときは全力で味方になってきたからだと思います。
絶対に遅刻できない日に、朝の仕度がバタバタしてピンチのときは、子どもを全速力で学校まで走らせ、私が荷物を自転車に乗せて並走したこともあります。学校指定の青いタオルがないのが前日の夜に発覚しても、なんとか開いているお店を探して、一緒に町内を駆け巡りました。そんなピンチを乗りきってきたからこそ、子どもたちも私が大変なタイミングで駆け寄ってくるようになったのではないでしょうか。
大変な時期をともに乗り越えてチームになっていくこと。これも家族の醍醐味です。


