狙うべきは「将来、高配当に育つ銘柄」
高配当株投資のポイントを一言で言えば、今高配当の銘柄を選ぶのではなく、「将来、高配当に育つ銘柄を選ぶこと」と言えます。
では「将来」とはいつのことでしょうか? これはあなたが何歳から投資を始め、いつまで続けるかによって異なりますが、少なくとも10年以上の長期的な視点を持つことが必要です。
今の利回りが高くても、将来的に減配されてしまえば意味がありません。逆に、今はそこそこの利回りでも、毎年配当が増えていく銘柄であれば、将来的にあなたの買値に対する利回りは驚くほど高くなっていきます。これを「取得配当利回り」と言います。
少し勘違いしやすいのですが、増配されると株価も上昇することが多く、結果として見た目の配当利回りはさほど変わらないように見えることがあります。しかし実際には異なり、買った時点の価格に対する配当金の割合、つまり取得配当利回りは増配とともに毎年育っていくのです。
例えば、利回り3.5%で買った銘柄が毎年10%増配を続けると、5年後には約5.6%、10年後には約9.1%、12年後には約10.9%を超えていきます(図表2)。株価がどう動いても、自分が買った価格に対する配当金は毎年増えていく。増配銘柄に投資する大きな魅力の1つです。
「高配当に育つ銘柄」の4条件
では、「将来高配当に育つ銘柄」とはどのような条件の銘柄なのかを解説します。将来にわたって高い配当を出し続けてくれる企業には共通する特徴があり、それを大きく分けると、以下の4つになります。
①経営や事業が安定し業績が伸びている
②配当利回りがある程度高い
③基本的に増配傾向である
④増配率が高い
これらを順に見ていきましょう。
【条件① 経営や事業が安定し業績が伸びている企業】
まず、大前提となるのが、経営や事業の安定です。この土台がしっかりしていなければ、一時的に好業績を出せたとしても、長期にわたって安定した業績の伸びを維持することはできません。
どれだけ魅力的に見える銘柄であっても、経営や事業の基盤がもろければ、いずれ配当の減額や停止につながるリスクがあります。経営や事業がしっかりと安定しているからこそ、景気の影響などを受けながらも利益を長期的に積み上げ、右肩上がりの成長が実現できるのです。
【条件② 配当利回りがある程度高い】
これまでの説明で、今の配当利回りはあまり重要ではないような印象を受けたかもしれませんが、やはり現在の配当利回りを確認することも非常に大事です。
現在の配当利回りが高い銘柄を積極的に買う必要はありませんが、将来の配当金の成長を期待するとはいえ、株購入時点の配当利回りがあまりに低すぎると、高配当の状態に到達するまで膨大な時間がかかってしまいます。
例えば、配当利回り1%の銘柄が将来すぐに5%に届くかというと、それは簡単ではありません。着実に配当金を増やしてくれる企業でも、増配率はよくて10%程度です。配当利回り1%から毎年10%ずつ増配したとして、配当利回りが5%に到達するまでには17年かかります(図表3)。これではさすがに時間がかかりすぎです。
ある程度の配当利回りを最低ラインとして基準を持ったうえで、現在の配当利回りを確認する必要があります。