嘔吐などの症状があれば早めに受診
こうした事故の後の対処が難しいのは、たとえ重症でも見た目はそう見えないという点にあります。転んでお腹を打っても、その場でちょっと泣いておさまったという印象で、しばらくするとなんでもないように見受けられることも少なくありません。
そのため、周囲の大人も「大丈夫だろう」と判断しがちですが、腹腔内での出血や臓器の損傷はじわじわと進行している可能性があります。
以下のような症状がみられた場合には、速やかに医療機関を受診してください。
①通常の打撲なら痛みが徐々に引いていくはずなのに、むしろ時間が経つにつれて腹痛が強くなる場合、②吐き気がしたり、実際に嘔吐する場合、③顔色が悪くなり、ぐったりとして元気がなくなる場合、④尿の色がいつもと違って濃かったり褐色だったりする場合です。
医療機関では、症状だけでなく、腹部を打ったときの状況も詳しく話しましょう。
体の前側に硬いものを持たせない
では、どうすればこういった事故を防ぐことができるでしょうか。もっとも重要なのは、体の前側に硬いものを配置しないことです。水筒は首にかけたり、体に斜めがけにしたりしないようにしましょう。ランドセルやリュックや手提げ袋に入れるか、ランドセルやリュックのサイドに装着できる補助バッグを活用したりしてください。
水筒を体にかけるしかない場合は、ランドセルやリュックのショルダーストラップと水筒のストラップをクリップやバンドでしっかり連結・固定して、水筒が体の前側に来ないように工夫するのがおすすめです。防犯ブザーや鍵ケース、携帯電話などを首から下げるものも同様です。
また、あらかじめ子どもに「肩から何かをかけている場合は走らない、必ず下ろしてから遊ぶ」といったルールを伝えておくといいでしょう。そういったことを登校前に確認すれば、子どもの安全意識が高まり、事故予防につながります。転倒防止のために足のサイズに合った靴を履く、ほどけて踏んでしまう危険性のある靴紐がない靴にするというのも有効です。
子どもの事故の多くは「危険なことをしたから起きる」のではなく、「日常の中で自然と起きてしまう」もの。だからこそ、「気をつけよう」という抽象的な声かけだけでは十分とは言えません。
子どもの発達段階を踏まえたうえで、具体的な行動ルールを教えること、そして環境を整えること。この2つを積み重ねることが、事故を減らすもっとも確実な方法です。水筒は子どもの命を守るための道具です。その一方で、使い方によっては危険にもなりえます。「何を持つか」だけでなく、「どう持つか」まで意識することが、安全な学校生活につながります。


