「買い与える」前に一呼吸置いてみる

また、子どもが何か高額なものを欲しがったとき、いつでもサッと支払ってしまうのは考えもの。お金を得るには努力が必要なんだ、という話をする機会を設けてもいいと思います。たとえば、こう話してはいかがでしょうか。

「パパとママがお仕事を頑張って、もらえるのがお金なんだよ。お金って、何もしないと入ってこないものなの。これがどうしても欲しかったら、少し高いからお手伝いしてくれる? そうしたらママ助かるから、ありがとうの気持ちで1回100円渡すね」

「投資」を始める前に稼げる大人になってほしい

ところで、今はインフレで物価がものすごいスピードで上昇していて、給料アップが追い付いていないですよね。そのため、投資をしてお金を増やそうという風潮が強まっています。

「お金=労働で稼ぐもの」と子どもに教えるだけでなく、投資や経済の知識も教えたほうがよいのでは? と思う親御さんもいると思います。

それは私も否定しませんが、若いうちから投資でお金を増やすことばかり考えると、節約してやりたいことを我慢して、ひたすら貯蓄して、そこから投資に回す――というこぢんまりとした発想に陥るおそれがあります。

【図表】お金を稼ぐのは楽しく充実した人生を送るため

若いうちはお金を使ってさまざまな経験をしたほうがいいし、自己投資にお金を惜しまないことも大事です。

まず、お金とは仕事を頑張った結果、得られるものであると教えるのが先だと思います。私は子どもに、頑張ってお金を稼げば、住みたいところに住めて、やりたいことをやれて、楽しく充実した人生を送れると伝えています。また、仕事の楽しさややりがい、難しさ、誇りを持っている点など、親の仕事について、日常的に語っておくのもよいと思います。親が楽しそうに仕事をしている姿を見せておけば、子どもは自然と「自分もこんなふうに、誇りある仕事をして、やりたいことをやれる力をつけたい」と思うようになっていくものです。親は子どもよりも先にいなくなってしまいますから、将来、自分の力で稼げる大人に育てたいものです。

そして、仕事を頑張って、稼げるようになった先に、「投資」というものがあると教えるのがよいと思います。投資は「経済成長を支える」「社会課題の解決を目指す企業を応援する」といった社会貢献を行いながら自分のお金を増やしていけるもの。自分の収入をより多くするために、仕事で稼いだお金の一部を投資に回して増やしていく――投資との付き合い方はそのようなものではないでしょうか。

※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。