自己判断で抗菌薬などを飲むのはNG

最後に薬の話です。よく「以前もらっていた薬を飲ませて様子をみていいですか?」と問い合わせがくることがあります。

まず、手元に残っている抗菌薬や抗ウイルス薬は絶対に飲ませてはいけません。そうした薬を飲んでも治らず受診した場合に、原因がわからなくなってしまうことがあるからです。そして、不必要に中途半端な量、日数の抗菌薬・抗ウイルス薬を摂取することにより、耐性菌や耐性ウイルスが生まれかねません。

一方、以前に処方されたアセトアミノフェンは、熱が高かったりどこかが痛かったりしたら使ってもかまいません。市販のアセトアミノフェンも同様です。それによって原因を究明できなくなることがほぼないからです。こうした対応は大人も同じです。

ただ、大人は様子を見てもいいですが、お子さんの具合が悪い場合は小児科に連れて行ったり、時間外診療をする医療機関を探したりするほうがおすすめです。特に乳児は重症の感染症になっても特徴的な症状が出ず、初めは風邪に見えることもあるうえ、自分でどう調子が悪いのか訴えることができません。生後6カ月未満の場合は、発熱だけでも病院を受診しましょう。

子どもが風邪をひくと、親はつい「これで大丈夫かな」と心配になりますね。でも、水分をとらせて快適な環境で休ませているなら、それで十分です。子どもも大人も風邪をひかずに生活していくことはできません。何かを“足す”より、“あえて特別なことをしない”勇気も大切なのだと思います。