年代暗記はもはや無意味⁉
――センター試験を受けた親世代は、歴史といえばとにかく暗記という記憶があるんですが、例えば「794(ナクヨ)ウグイス平安京」などの年代を憶えていても解けない問題が多いのでしょうか。
【佐京】そうですね。今回も1問だけですが定番の年代整序問題が出ていて、センター試験時代だとたとえば「徳川家康が江戸幕府を開いた」というように直接的に問われたものですが、共通テストでは、言ってしまえば“回りくどく”なったんですよね。
例えば、近代が範囲の第6問-問3。1番目が「青年将校により複数の要人が暗殺された事件の後,軍部は政治的発言力を強め,新たに就任した首相に,軍部大臣現役武官制の復活や大幅な軍拡予算を認めさせた。」という問題文で、具体的な人名や事件名が書かれていない。まず「青年将校」が出てきているので、「二・二六事件」か「五・一五事件」のどちらか。その後「首相が軍部大臣現役武官制を復活させている」から「二・二六事件」だろうと、ここで初めて1936年だと判断できる。
さらに2つの同じような文章が出てきて、2番は1941年、3番は1931~32年と、それぞれ時期を特定していく作業が必要になるわけです。このプロセスが重なっているので、要は「イントロクイズ」みたいな一問一答のみで暗記していると、なかなか正解できないですね。
歴史の「物差し」を使って解く
――年代は当然、頭に入った上で、さらに事件の詳細などまで憶えておかないといけないわけですね。
【佐京】そうですね。ただ、私はいつも授業で「年代は使うもんだ」って言っているんですよ。要は「物差しの目盛り」。長さを測るとき、物差しを当てて測るじゃないですか。でも、ひとつひとつの目盛りが1の次は2で、2の次は3でとは憶えないですよね。出来事の背景なり概要なりをちゃんと理解すれば「この年にこの事件があったから、その影響があって、何年後にこれがあるんだ。なるほどな」と頭の中に歴史像が構築されていくものです。


