ほとんど世界史? 「歴史総合」

――また、2年目となった「歴史総合」(日本史と世界史を融合した問題で必須)ではマラリアの流行の歴史を調べたという問題でコロンブスが出てきたり、インドやエチオピアの飢饉の問題があったりして、ネットに投稿されていた受験生の声として「日本史のテストなのに、世界史やってないとわかんないじゃん」という不満もありました。

【佐京】いや、「歴史総合」なので、世界史の知識がある程度、必要なのは大前提なんですよね。「世界史を勉強しなきゃいけない」と言われたら、「1年生のときに習った歴史総合をやればいいんですよ。教科書をすぐに捨てないでね」と答えるしかないんですが……。ただ、「歴史総合」の教科書に、問題文に出てきた「マラリアの治療に使われたキナノキ」のことが書いてあるかというと、ない。

だから結局これも、物差しの使い方なわけです。私は「大まかな時代観」と言っているんですけど、「17世紀はこういう時代」とか「こういう時代だから、たぶんこの人はこういう行動をするでしょう。一方、コロンブスはそもそもこの時代に生きていない」などと判断できる「物差し」があると、いいんじゃないのかなっていうところではあります。

コロンブスの肖像画、1520年ごろ
コロンブスの肖像画、1520年ごろ(写真=リドルフォ・ギルランダイオ/ガラータ海の博物館蔵/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons

地引網漁の問題は日本史なのか?

――しかし、「歴史総合,日本史探究」第2問の漁業の問題では、地引網の人員がグラフ化されていて、パッと見ると「これは日本史なのか? 地理では?」と戸惑いますね。

【佐京】グラフだけ見ると、日本史らしくないですが、よく読めば「網元あみもと」「網子あみこ」といった日本史の用語が登場し、それらの知識を使って読み解くようになっています。知識の「運用」が試されている象徴的な問題です。最終的には鎌倉時代の荘園や「公物くもつ」「預所あずかりどころ」という言葉から知識を総動員して答えを導き出す構成で、1つひとつの設問が独立しつつも、最後には中世の歴史像としてまとめられている。大切なのは「必ずどこかに根拠がある」と信じて、会話文や資料の中にあるヒントを見逃さないことです。

――なかなかその読解の訓練を、本番前の勉強だけでマスターするのは難しいと思いますが、共通テスト対策はどうすればいいですか?

【佐京】勉強法としては、まだ時間があるうちから「この歴史用語を正解にするには、どんな問題文を作ればよいか」を逆算して考える習慣をつけると、共通テスト特有の思考回路が身につきやすいです。つまり一問一答の逆をやる。それは他の試験でも役に立つはずです。