AIと医学を積極的に融合させる

細井裕司『挑戦する人か、文句を言う人か 奈良医大7883日の奮闘と大改革』(日経BP)
細井裕司『挑戦する人か、文句を言う人か 奈良医大7883日の奮闘と大改革』(日経BP)

そして第三段階として「先端AI医学講座(仮称)」を設け、奈良先端医工科学連携機構との協働を通じて最先端のAI技術を医療に橋渡しする。イノベーションセンターの特徴は、基礎から応用、そして先端的なAI医学の研究開発を推進するという明確なステップを描いている点だ。私は奈良医大だからこそ、AIと医学を積極的に融合させることができると自負している。理由は2つある。

第一に、本学は県内医療を支える強固なネットワークを持ち、基礎から臨床までを網羅する研究体制を備えている点である。地域密着型の医療現場と直結したAI研究は、スピードと実効性を兼ね備えるはずだ。

第二に、奈良先端科学技術大学院大学(奈良先端大)との連携体制が確立している点である。同大が持つバイオサイエンスや情報科学の世界水準の研究力と、本学の医学的知見を融合することで、AI医療の開発に不可欠な医工学の連携が可能となる。奈良医大の「AIシステム医学融合イノベーションセンター」は、革新的な医療技術や先進モデルを、奈良から世界へ発信し、メディカルAI分野における日本の代表的拠点となることを目指している。