1978年、大阪府生まれ。2013年、『小さいおじさん』(文庫化の際に『私たちの願いは、いつも。』と改題)でデビュー。著作に『きみの鐘が鳴る』『学校に行かない僕の学校』など。近刊は初のエッセイ『母の旅立ち』。
――尾崎さんにとって、中学受験生の母親は2度目のご経験となりますね。前回の経験がどのように活きていますか?
長男の受験では私自身たくさんの失敗をしたこともあって、次男にはほどよい距離感で接することができています。長男はお尻をたたかないと動かないタイプでしたが、次男は親に言われた途端にやる気をなくすタイプ。だから「この子にはあれこれ言わないほうがいい」と口を閉じています(笑)。
長男が受験したときは私も未熟でしたから、受験生に対して言ってはいけないフレーズのワースト10を全部言っちゃうような母でした。『きみの鐘が鳴る』は、その禊(みそ)ぎとして書いた小説なんです。テストの結果が悪かったら「えっ、ほんとにちゃんとやってんの⁉ そんなんで大丈夫なの⁉」と責め立てるようなことも言ってしまいました。受験期には、一生懸命に頑張っても結果がついてこないこともありますよね。成績が上がっていないことは本人がいちばん理解しているので、そこに触れなくてもいい。それよりも頑張っていることをもっと認めてあげるべきだったと、いまならわかります。
子供が勉強して身に付けたことは、少しずつ子供の「力」となっていくもの。その力は高校や大学、社会に出てから役立つかもしれません。それなのにあの頃の私は、中学受験という狭い範囲でしかものを考えられていなかった。中学受験は人生の通過点でしかなく、ここで頑張って身に付けた力をどこで使うかは人それぞれなんですよね。いまはそんなふうに、視野を広げて考えられるようになりました。

――生活面では、どのようなサポートを心掛けていますか?
私は料理が好きなので、食事のサポートは意識的に心掛けています。勉強の合間の食事って、受験生にとっては唯一の楽しみじゃないですか。だからできるだけその時間を楽しく過ごしてほしいと考えて、子供の好きなおかずを選びつつ、飽きないようにメニューを工夫しています。肉や魚など、タンパク質はとくに意識して取り入れていますね。お弁当の場合、冬場は保温機能のあるお弁当箱を持たせています。小説にも書きましたが、親が子供にやるべきなのは、美味しいご飯とお風呂とお布団を用意すること。逆に言うと、それさえできていたら他のことにはあまり期待しないでほしい(笑)。
うちは食べ盛りの男子2人なので、ご飯は毎日4合炊いています。それでもすぐにお腹が空くんですよね。そこで役立つのがカロリーメイト。スナック菓子などと違って、きちんと栄養が摂れること、それに腹持ちのよさで選んでいます。
私自身も、大学受験のときはカロリーメイトにお世話になりました。お気に入りはブロックタイプのチョコレート味。朝ご飯の代わりにしたり、放課後に図書館へ行く前に食べたりと、結構ハマっていました。いまも変わらずブロックタイプが好きです。うちの子はゼリータイプが好きなので、塾に行くときによく持たせています。
――2023年から2年にわたって「プレジデントFamily」で連載された『隣のお皿はおいしそう』は、子育て世代の母親を主人公にした連作短編です。毎回、食事の場面が印象的に描かれていますが、その意図は?
家庭における悩みやいざこざには、ドラマチックな解決法がないんですよね。でも、家族で一緒に好きなものを食べてお腹が満たされると、根本的な問題解決にはならなくても、なんだか気分が変わったり、前向きになれたりするものです。子育て世代の生活って、そういうことの積み重ねなのかなと。そんな家族の話だからこそ、食事を毎回のポイントとして書きたかったんです。
ただし、母親が凝った手料理を用意するような展開にはしたくなくて、あえてそこは外しています。母親の手作りじゃなくたっていい。出来合いのものでもいいし、いただきものでもいい。もちろん外食だっていい。いまどきの母親はただでさえみんな忙しくて、やることがいっぱいあるのに、これ以上期待しないでっていう(笑)。そんなに毎日頑張らなくていいから、手抜きしようよって母親たちに伝えたかったんです。それこそカロリーメイトにも助けてもらいながら。
――中学受験に挑戦している親子に向けてメッセージをください。
親として中学受験に伴走したことは、私にとって本当にかけがえのない体験でした。小説にも書きましたが、受験本番に向かう長男の背中を見たとき「この子が子供でいる最後の瞬間を見ているのかもしれない」という寂しい気持ちになったんですね。実際、中学受験を終えたら長男はあっという間に親離れしてしまいました。
最近の次男からは、自分を律しようとしている様子が見てとれます。本当は好きなことをしていたいんだけど、いま頑張って勉強しなきゃ行きたい学校に行けなくなると。彼は精神的にも大人になる最中にいるんだなと、端から見ていてわかるんですね。そういう意味で子供にとっても、中学受験は人として成長するための貴重な経験になっていると思います。保護者の方々は、そんなお子さんを温かく見守りながら、親子で一緒に駆け抜けている“いま”を楽しんでください。
子供たちに言いたいのは、中学受験のあとも人生は続いていくということです。いまあなたが頑張っていることは、人生のどこかでかならず役立ちます。たとえ志望校に合格できなかったとしても、中学受験に失敗なんかないと思うんですね。自分の人生で何が良かったかなんて、ずっと後になってみないとわからないものですが、どうかいま自分が頑張っていることに対しては自信を持ってください。受験本番の日、あなたが実力を発揮できるように応援しています。


身体に必要な5大栄養素をバランス良く手軽に補給できる「カロリーメイト」は、大切な成長期を迎えているお子さんの補食にもぴったり。日常はもちろん、目標に向かって頑張るときには、お好みのフレーバーで栄養バランスを整えて臨みたいもの。左よりゼリータイプ、リキッドタイプ、ブロックタイプ。
