入試本番で「いつもはしないミス」を防ぐため
入試直前期になると、受験生はどうしても一問一問に対して、過剰に集中しがちです。「早く正解しなければ」「この問題は落とせない」という思いが強くなり、結果として視野が狭くなります。
そして、視野が狭くなってしまうと、「いつもはしないミス」を本番に限ってやらかす事態が多発します。実際、僕の周囲にも、模試や他大の入試ではミスがなかったのに、東大の入試本番だけマークミスをしてしまった人がいました。
特に今年は大学入学共通テストが新課程に移行して2年目であり、全体的な難易度は上昇すると見られています。科目によってはさらなる思考力が求められるような大きな傾向の変化が予想されています。本番で見慣れない問題が出ることもあるでしょう。
しかし、想定外の事態に焦っているのは自分だけではありません。会場にいる全員が焦っています。受験は相対評価ですから、平均点が下がるなら、その分取らなければならない点数も同じ分だけ下がります。「みんな難しいと感じている」と冷静に捉えられるかどうかは、かなり重要になってきます。
広い視野を持てていれば、「ここは一度飛ばそう」「この問題は後回しにしよう」と焦らず、柔軟に、戦略的な判断もできるのです。
つまり、本番で実力を出せる人は、「あえて一息つき、焦っていることを客観視できる受験生」です。毎日根詰めて勉強し、最近余裕がなくなってきた・視野が狭い気がすると感じている受験生は、元日くらいは意識的に休む価値があります。
習慣になっている受験生ほど「勉強してしまう」
一方で、64%が「元日でも勉強していた」と答えている点も見逃せません。この層の多くは、無理に追い込んでいたわけではありませんでした。
次のような回答がありました。
・「元日だからといって休むのは甘えだと思って、特に意識せず勉強していました」
東大教養学部2年
・「実はこの日くらいは休もうと思っていたんですが、なんとなく手持ち無沙汰になって、午後には勉強していました」
東大法学部3年
ここで重要なのは、「休まなかった」ことそのものではありません。法学部3年の学生のように、「休むつもりだったけど、結局勉強してしまった」というタイプがいることです。
彼らにとっては勉強がすでに生活の一部、ルーティンになっている状態だと言えます。意識的に頑張ろうとしなくても、時間が空くと自然と参考書を開いてしまう。そういう状態に入っている受験生は、合格にかなり近づいています。
たとえば、初詣の待ち時間に単語帳を開いたり、家に帰ってから食事までの10分で復習をしたり。そうした行動が、特別な努力ではなく自然な動きになっています。毎日風呂に入る人が「今日はやめておこう」と思っても落ち着かないのと同じで、勉強が習慣化している人ほど、休もうとしても結局勉強してしまうのです。



