愛子さまは比類なき外交の担い手

来年になって、愛子内親王がどういった活動を行うか、まだそれは発表されていないし、予想できないことである。しかし、今年以上に活発なものになるのは十分に考えられる。その中でもっとも注目されるのは、次の海外訪問であろう。

国際交流の記念の年ということでは、2026年は、日本とベルギー友好160周年であり、日本とイタリア外交関係樹立160周年である。あるいは、アルゼンチン日本人移住140周年、パラグアイ日本人移住90周年でもある。

国交正常化や外交関係樹立70周年という国は多く、フィリピン、ネパール、ハイチ、アイスランド、チュニジア、モロッコがそれに該当する。他にも、記念の年を迎える国はいくつもある。

ベルギーとイタリア、あるいはアルゼンチンとパラグアイを天皇や皇室のメンバーの誰かが訪れる可能性は極めて高い。今や愛子内親王はもっともそれにふさわしい存在になりつつある。招待する国の側も、若き日本のプリンセスの来訪を求めるであろう。

そうなれば、海外の報道も格段に増え、愛子内親王の注目度は今以上に高まっていくことになる。特にヨーロッパを訪れれば、現地の王室と交流することになる。イタリアでは王政は廃止されているが、ベルギーには現在でも王室があり、愛子内親王と同い年のエリザベート王太女(エリザベート・ド・ベルジック)は次に王位を継承することが定められている。

ベルギーの次期君主となるエリザベート王太女
ベルギーの次期君主となるエリザベート王太女(写真=Chambre des Députés/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

来たる2026年。愛子内親王の活動からは、これまで以上に目を離すことができない。愛子天皇待望論は、その勢いを増していくに違いない。

島田 裕巳(しまだ・ひろみ)
宗教学者、作家

放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員、同客員研究員を歴任。『葬式は、要らない』(幻冬舎新書)、『教養としての世界宗教史』(宝島社)、『宗教別おもてなしマニュアル』(中公新書ラクレ)、『新宗教 戦後政争史』(朝日新書)など著書多数。