「ポップスターのように歓声を浴びる」愛子さま

大学を卒業した後の愛子内親王は、さまざまな公務をこなすようになり、国民の前にその姿を現す機会が増えてきた。しかも、11月にはラオスを単独で訪問し、改めてその存在感を国外にも知らしめることとなり、海外の報道機関が愛子内親王について報道する機会も増えている。

たとえば、アメリカの「ABC News」では、「愛子さまの人気により、日本の男系限定の皇位継承法の改正を求める声が高まっている」というタイトルの記事が配信されている。

その出だしは、「日本で愛されている愛子内親王は、しばしばポップスターのように歓声を浴びている」というもので、「天皇皇后両陛下とともに長崎を訪問された際、沿道の支援者たちが彼女の名前を叫ぶ声は、ご両親への歓声を圧倒した」ことが報告されている。

記事内では、82歳になる長崎の被爆者の女性が、天皇一家の到着する数時間前から平和公園で待っていて、「愛子さまの即位をずっと応援してきました」と述べ、「愛子さまのすべてが好きです。特に笑顔が……本当に心が安らぎます」と語ったことが紹介されている。あるいは、58歳の会社員女性も、愛子内親王の成長をずっと見守ってきたとし、「今は彼女が将来の天皇になる姿を見たいと思っています」と語ったことも触れられている。

そうした声を踏まえた上で、小林よしのり氏の漫画などが、愛子天皇待望論の高まりの証拠として挙げられ、いかに今の日本の皇室が危機的な状況にあるかが当記事では解説されている。

“超保守派”高市首相の拒絶にも言及

同じような趣旨の記事は、ほかにも配信されている。スペインの「EL PAÍS(エル・パイス)」の米国版では、12月4日付でギジェルモ・アブリルという記者が、「愛子さまの人気の高まりにより、日本における男系皇位継承をめぐる議論が再燃」という記事を書いている。

そのサブタイトルは、「超保守派の高市早苗首相は、今上天皇に息子がいないにもかかわらず、女性の皇位継承を禁じる制度の改革に反対している(Prime Minister Sanae Takaichi, an ultraconservative, has opposed reforming the system that bars women from the throne despite the fact that Emperor Naruhito has no sons)」とあり、高市氏が日本で最初の女性首相に就任したことと関連させながら、この問題が論じられている。

憲政史上初の女性首相となった高市早苗氏(第29代自由民主党総裁
憲政史上初の女性首相となった高市早苗氏(第29代自由民主党総裁)(写真=外務省/南アフリカ駐在日本大使館/内閣広報室/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

その記事の冒頭では、「天皇陛下と皇后雅子さまの一人娘、愛子さまは月曜日に24歳の誕生日を迎えられました。人気が急上昇し、公式行事における役割も拡大しています。愛子さまの高まる威信により、家父長制と伝統主義が根強い日本社会において、皇位継承に関するサリカ法を遵守するにもかかわらず、女性が皇位を継承する可能性をめぐる議論が再燃しています」とある。