不満を抱え込んでいた女性の声

「さす九」(さすが九州)は九州という特定のエリアを差別する言葉だという指摘もあった。たしかに、九州の人を他の地域の人間が色眼鏡で見るようなことはあってはならないし、この問題を論じるとき「九州の人間がみんなそうではない」「他の地方にもある傾向だ」という前提は必要だ。しかし、このワードや「じゃあ、あんたが作ってみろよ」のようなエンタメがきっかけになって、普段は黙って不満を抱え込んでいる女性たちが声を挙げることには少なからず意義があるのではないだろうか。

「じゃあつく」の公式YouTubeチャンネルには

「ドラマ見て笑ってたけど、少し冷静になって自分も奥さんに似たようなことやったり言ったりしたことあるって気づいてまじで改めようって思ったわ」

というコメントも寄せられている。

お正月の帰省で現役世代とシニアの接触も増え、親戚の集まりなども多くなるこれからの時期、「これって女性差別では?」と思われるような慣習はぜひ全面撤廃してほしいと、コメントを書き込んだ女性たちに代わって全国の人に呼びかけたい。

村瀬 まりも(むらせ・まりも)
ライター

1995年、出版社に入社し、アイドル誌の編集部などで働く。フリーランスになってからも別名で芸能人のインタビューを多数手がけ、アイドル・俳優の写真集なども担当している。「リアルサウンド映画部」などに寄稿。