戦略的に子どもの現状を受け入れる

自分のことを少しずつ許せるようになってきたら、次にお子さんのことも許していきます。

【ワーク2】子どもの現状に許可を与える

「ダラダラ過ごしていてもいい」
「学校に行かなくてもいい」
「引きこもりのままでもいい」
と声に出して言ってみてください。

ここで誤解してほしくないのは、これは「不登校でいることを肯定しましょう」とか「引きこもりのままずっと親が養っていけばいいんです」ということを言いたいわけでは全くないということです。

重要なのは、親御さんがお子さんの状態を「良くない」と思いながら関わると、その「否定のエネルギー」は必ず相手に伝わり、お子さんとの良い関係が築けなくなってしまう、という点です。関係性が悪い相手の言葉を、子どもは受け入れられません。

だからこそ、戦略的に、まずはお子さんの今の状態を受け入れる。その上で、「できないことはできない」と伝えながら向き合っていく。

子どもの状態に揺さぶられなくなっていく

親御さんが自分を許し、自分の中に押し込めていたものがだんだんと緩んでいく。その「緩み」が、自然とお子さんに伝わるようになります。

お子さんの状態に揺さぶられるのではなく、感じることは感じつつも、どこか理解を示すような視点が増えていくわけです。

そうするとお子さんも、「自分は悪いわけじゃないのかもしれない」「分かってもらえているのかもしれない」「この家に存在していても尊重してもらっているんだ」と感じられるようになります。

自分自身への価値を卑下するのではなく、「自分は自分でいいんだ」という感覚を強め、それが自然と、また社会とつながっていく力、自分の人生をどうしていくのかを考える力に変わっていくのです。