“模試を受けすぎた子の母親”が受験相談にきた

私のところには、「セカンドオピニオン」として受験相談に来られる親御さんも多くいらっしゃいます。過去には、模試の受けすぎについての相談もありました。

以前、小6のBくんの勉強について相談に来られたお母さんがいました。しかし、よくよくお話を伺っていくと、お母さんの不安はもっと別のところにあることがわかったのです。

実は、Bくんの兄(Aくん)が中学受験で残念な結果に終わっていたのです。しかも、兄は模試では高い判定を取り続けていたにもかかわらず、入試本番で失敗していました。

原因は明確でした。兄は模試の成績を上げることに軸足を置いてしまい、土日が全て模試や特訓で埋まっているという状況だったのです。志望校の対策がおろそかになり「対策不足を兄も自覚していて、自信がないまま本番を迎え、やりきった感がないまま残念な結果になった」と。

弟のBくんがまた同じ轍を踏むのではないかと不安になり、私のところにいらっしゃったようでした。私からは「すべての模試を受ける必要はない」と、本稿のような“取捨選択の重要性”をお伝えして終わりましたが、Aくんのケースは、模試を受けすぎたり、いい判定を求めすぎたりする危険性を改めて教えてくれたものでした。

模試よりも「学校説明会」へ行くべき

では、親御さんはこの時期に何をすべきなのでしょうか。最優先は、11月以降に行われる学校説明会への参加です。「第二志望以降の学校」についてもご参加をお勧めします。その理由は、「出題の単元」や「出題しない単元」、「採点基準」を教えてくれることがあるからです。そこで得られる情報次第で、本番までの短い期間に何に集中すればいいのかがわかります。取捨選択ができれば、第一志望の対策に時間を割く余裕が生まれます。

親が行かなくても、塾の先生はプロなのだから学校のことはすべて知っているだろうと思われるかもしれませんが、首都圏だけでも300校ほどあります。中には、説明会に参加した家庭だけが有利になるようにする学校もあり、塾が知らない情報もあるのです。

大教室の後ろの席からの眺め
写真=iStock.com/narin_nonthamand
※写真はイメージです

また、入試直前になるとSNSなどにも情報が流れますが、偏りのある情報も多く、本当に必要な情報はありません。例えば「塾関係者を名乗るアカウント」があったとしても、自分の生徒のライバルが読むかもしれないので、無料で有益な情報を流すとは思えません。

そして、中学受験を経験した親が発信しているアカウントもありますが、その方が持つ情報は、自分のお子様にしか当てはまらない、またその年度でしか通用しない「再現性のない」内容かもしれません。実際会ったこともない人たちの情報をうのみにするのはリスクが高いと言えます。