自己決定するとパフォーマンスが上がる

彼女の実体験が、読者の皆さんの参考になれば幸いです。自分で決めるとパフォーマンスが上がる自分で決めてする行動は、パフォーマンスが上がることもわかっています。人に言われて「やらされている」ことと、自分で決めてやっていることの成果に差が出るのは当然ですよね。

アメリカの心理学者エドワード・デシ氏とリチャード・ライアン氏による「自己決定理論」によると、物事に取り組むモチベーションは次の3つの心理的欲求から生まれるといいます。

「つながり」…他者との結びつきが感じられること
「有能感」…自分が有能であると感じられること
「自律性」…自分の意思で選び行動すること

これらの欲求を満たすとき、ドーパミンという神経伝達物質が脳内に出ます。これによって幸福感を感じ、やる気や集中力がアップしてパフォーマンスが上がるのです。

ビジネス街を歩くスーツ姿の男性
写真=iStock.com/key05
※写真はイメージです

意識的に「自分で決める機会」を作る

自分で選ぶ、決めるというのは、脳にとってそれなりに負担のあることです。いちいち考えるのはエネルギーが必要なので、特別大事でない限りはいつものパターンをなぞりたくなるのが普通です。いつも同じ店に行くとか、同じ組み合わせの服を着る、同じ電車に乗る……。いつも通りならば、余計なエネルギーを使わなくて済みます。

小川涼太郎『1万人以上の不登校相談からわかった! 子どもの「学校に行きたくない」が「行きたい!」に変わる本』(PHP研究所)
小川涼太郎『1万人以上の不登校相談からわかった! 子どもの「学校に行きたくない」が「行きたい!」に変わる本』(PHP研究所)

できるだけ「サボりたい」私たちの脳は、自分で選んで決めなくてよければ、それに甘えてどんどんサボるようになってしまいます。脳のサボりを加速させるのがデジタル化です。デジタル化が進むほど「選んで決める」という面倒くささは省かれ、ラクになっていますよね。動画を見ていてもおすすめ動画が次々に提案されますし、デジタルゲームは設定されたルールの中で、ラクに次の行動がとれるように設計されています。

昔は、子どもの遊びは「自分で決める」ことが多かったものです。外で遊ぶときには、どこに行って何をしようか、遊びのルールはどうしようかなど自分で(友だちと一緒にということはあるでしょうが)選択して決めなければなりません。ちょっとしたことであっても、自分で決めて取り組む機会が多ければ、自然と自己決定力も育まれていきます。

いまの時代は、子どもが自分で決める機会を意識して作ってあげる必要があるのです。