育休を少しでも取得した父親の割合は90%以上

直接的な効果はもちろん、育休を取る男性の数が増え、取得日数も増えていった。制度導入の結果、男性が多数を占め育休を取る従業員がほとんどいなかった職場でも先例ができ始めると、男性の育休取得に理解を示す職場が増え、男性でも育休が取りやすい雰囲気が職場で次第に生まれていった。

その結果、夫婦で受けた育児休業給付の合計日数のうち、父親が受けた日数の割合を見てみると、90年には7.1%だったのが、22年には30.9%にまで上昇してきた。また、育休を少しでも取得した父親の割合は今では90%を上回る。

では、派生的な効果は何だろうか。まず、家庭における家事分担の変化だ。子どもが小さいときに育休を取って子育てに深く関わった男性は、育休が終わった後も家事や育児をパートナーと分担するようになったという研究がある。

実際に子どもの世話をすることで子育てのスキルが身についたり、子育てに対して自信を持てるようになったり、仕事だけでなく子どもとの時間も大切だと考えるようになるなど人生観が変化したことが背景にあると考えられる。

肩車をする父親と男児
写真=iStock.com/Sean Anthony Eddy
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父親の家事・育児負担の割合が43%にまで上昇

実際のところ、平日における家事・育児負担の母親と父親の割合は、90・91年の調査では父親が30%でしかなかったが、00・01年の調査では37%、10・11年の調査では43%にまで上昇してきた。また、別の研究では、男性が家事や育児を積極的にする家庭では、結婚生活が長続きし、2人目や3人目の子どもを持とうとする傾向があることが明らかになっている。そのため、男性の育休は少子化対策にもなっている可能性がある。

そして、このように家庭で男女平等が進んでいったおかげで、女性が職場に復帰しやすくなったり、子どもを持ちながら仕事を続けたりするのが楽になったことも、パパ・クオータ制度がもたらした大きな効果だ。