幼なじみは最高の「ローリスク仲間」

SNS上の「ガチ勢」仲間は特定のテーマを深く話せるものの、趣味や推し活をやめると仲間付き合いも立ち消える場合が多いのです。

一方で、子どものころからの親友はお互いに何でも話してきたからこそ、簡単には切れない、積み上がってきた関係があるわけです。

また、多くのコミュニケーションがオンラインで済ませられる世代だからこそ、共に過ごした物理的な時間の厚みがいっそう価値を持っているようにも見えました。

コンプラ解放区である同性の友人、そのなかでもお互いの性格や過去を知り尽くし、家族や人生の悩みも含めて心を開いて何でも話せる幼なじみは、最高の「ローリスク仲間」といえるでしょう。ほかの友人関係には代えがたい価値があるのです。

タブレット端末を見ながら話している男子大学生5人のグループ
写真=iStock.com/Ababsolutum
※写真はイメージです

オンライン上の「遊び場」で縁をつなぐ

博報堂生活総合研究所『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』(光文社新書)
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ところで、「幼なじみがそのまま親友になっている」ことについて、大人目線で見ると「よく途中で関係が切れないな」と感心してしまいませんか?

実は、こうした関係性が育ちやすくなっている社会的な背景がいくつかあります。環境的に、友人関係がリセットされにくくなっているのです。

まず、当然ながらSNSの浸透がその一つです。特に中学受験の盛んなエリアでは、小学6年生の卒業を前に親から初めてのスマホが与えられ、チャットアプリでグループが作られるクラスも少なくないようです。進学や就職で物理的に離れてしまっても、アプリにアクセスすればそこに「いる」。さらにXやインスタグラムなどのアカウントで「友達」になれば、より強固なつながりが作れます。

そして、オンラインで友達と対戦できるゲームや、動画配信サービスで同じコンテンツを見ながらオンライン通話するなどの「遊び」が広まった結果、「遊び場」がリアルの場に限られなくなったことも非常に大きな要因です。たとえ引越しや大学進学による上京などで居住地が遠くなったとしても、子どものころと同じように遊び続けることができます。