この時期のスランプは勉強法を見直すチャンス
中学受験で子供がやめたがる一番の理由は、成績不振だ。親から見ると、まだまだ勉強が足りない、やる気が感じられないように見えても、その子なりに頑張っている。その努力が結果につながっていかないというのは、子供にとってはとてもつらいことなのだ。でも、それは子供が悪いのではなく、正しい学習の仕方が身についていなかった、つまり努力の仕方を間違えていただけに過ぎない。
公式の丸暗記やアタフタ学習で成績が低迷しているのなら、「納得感を得た学習をする」「問題文をきちんと読む」「考えるときは手を動かす」といった正しい勉強法に変えていけばいい。そうすれば、おのずと成績は上がって、子供の自信も回復していく。ここで気づけるか、改善できるかが、今後の伸びに大きく関わってくる。
そう考えると、この時期のスランプは、これまでの間違った勉強のやり方に気づけるいいチャンスだと前向きに捉えることができる。子供が成績不振で弱音を吐くようになったら、言葉巧みになだめるのではなく、まずはこれまでの勉強のやり方を見直すことだ。
親の心が折れるケースもある
【6年生】子供以上に親の心が折れるのが9月
6年生になると、すでに2年もの月日を受験勉強に費やしているので、さすがに途中で受験をやめるというケースは少なくなる。ただ稀に起こるのが、親が受験を撤退したいと言い出すケースだ。
例えば「わが家は何が何でも御三家に入れたい」「偏差値50以上の学校でなければ行かせたくない」などといったこだわりがあり、親の希望と子供の実力に大きな乖離がある場合。1学期はまだ合格可能圏に入っていなくても、「夏休みに頑張れば逆転できるかもしれない」というかすかな期待を持つことができる。ところが、夏休みが終わり、9月の模試でも見込みがないことが分かると、親の気持ちが持たなくなり、「もう受験はやめようか」と言い出すことがある。
誤解をしないでいただきたいのだが、受験を撤退すること自体はマイナスに捉える必要はない。なぜなら、中学受験は子供の将来を考えた選択肢の1つに過ぎず、中学受験を途中でやめたからといって、その子の人生が狂ってしまうことはないからだ。
ただ、撤退するときは、「こんな成績では中学受験をする意味がない」などといった言い方は絶対に避け、「今はちょっと難しいかもしれないけど、このままコツコツと努力を積み重ねていけば、高校受験や大学受験で希望の学校に入れると思うよ」と、前向きな声かけをしてあげてほしい。そうやって、子供の実力を否定せず、目標を変えただけであることを伝えれば、挫折感を味わうことはない。


