保護者の理解が必要

「暗記で覚えたことには限界があるんです」と小牧理事長は続けます。

「うちの年中〜年長さんは、教わっていなくても割り算ができる生徒が多くいます。子供たち自身が数学的な概念を理解しているから、できるようになるのです。例えば(高校に相当する)ディプロマ・プログラム(DP)の数学は難しくて、公式覚えれば解けるようなレベルではありません。でも親は知識詰め込み型の教育しか受けたことがないから、『この子、公式をちゃんと覚えていない』と不安がる。でも、公式を覚えていなくても解けることのほうがよっぽどすごいでしょう」

だから保護者への啓発は欠かせないのだと言います。

「保護者には、知識の詰め込みは考える力の発展を妨げるので、その時間を使ってもっといろんな経験をさせてあげて、発見をさせてあげてくださいと話をしています。大事なのは考える力を育てること。お子さんにその力をつけるために、親御さんの理解と協力が必要なことは言うまでもありません」

【column】KISTの「考える力」を伸ばす授業例

例えば、過去には小学6年生の算数の授業で「学校の水洗トイレの水を屋上に降った雨水だけでまかなうことは可能か」といったテーマに取り組んだことがあるそうです。

雨が降る様子
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※写真はイメージです

調べることは多岐にわたります。例えば学校周辺の降水量、溜めた水の蒸発を防ぐためにタンクの材質は何にすべきか、そもそも屋上は構造的にタンクを支えられるのかどうか――。正しい答えが出せるかどうかではなく、計算に行き着くまでのプロセスが問われるのです。

(後編に続く)