19歳の三笘は「なりたい自分」をこう書いた

三笘が大学1年の終わり、2017年1月16日に書いたシートの〈なりたい自分〉は、全部で十数個もある。

22歳で日本代表初招集
23、24歳で日本代表の中心プレーヤーになる
東京五輪で活躍
23歳でドイツ1部移籍。2、3年でビッグクラブ移籍。1シーズン10ゴール。CL出場

頼もしいのは「3大会W杯出場、ベスト4」の言葉だろう。ほかにもユニバーシアード(大学生の国際大会)優勝などが並ぶ。

次に〈今の自分〉が記される。こちらは20個以上。

スタメンが勝ちれていない
ポジションは2つしか務められていない
プレーに波がある。常に自分の100%を出せていない
線が細い。177センチ、66~67キロ

〈「なりたい自分」になるためにどうする?〉の欄もびっしりと具体策が書かれている。

身体の強化、柔軟性の獲得。筋トレ週2回、腹筋、体幹を毎日やる。ストレッチ、ヨガ、可動域の拡大、体重の増加などだ。目標体重も記されている。

〈準備(常に100%の準備をしてピッチに立つ)〉の欄には、やはり具体的なルーティーンの提示が。試合前日は炭水化物を多めに、果実を多く摂るなどの内容から、スポーツ栄養学を学んでいることがうかがえる。ほかにも「自分のプレーを見て、反省するところやよいところを整理する」といった部分は、あらゆるカテゴリーの選手に伝えたい内容だ。

最後の〈ベストを尽くす〉の欄では、小井土から「これまでにベストを尽くせなかった状況/甘えが出てしまう状況」が問われる。そこには、「暑さ、体がだるく動きたくないようなとき」などダメな状況の自分が客観的に書き出されている。

頑張れないときはどうするか? 三笘の結論

そして「次、その状況に直面したとき、具体的にどうする?」の質問にも、具体的なマインドセットが書き込まれていた。筆者が最も胸を打たれた一行を紹介したい。

過去を思い出し、それではダメだと、心に言い聞かせる。「これで良いのか」と言い聞かせる

19歳が自分に対しヒリヒリする戦いを挑んでいることが伝わってくる。スタメン入りを果たした大学2年のシーズンは、チームを関東大学リーグで13年ぶりの優勝に導いた。

2017年のサッカー天皇杯4回戦、筑波大vs.大宮、競り合う筑波大の三笘選手と大宮・長谷川選手
写真=共同通信社
2017年のサッカー天皇杯4回戦、筑波大vs.大宮、競り合う筑波大の三笘選手と大宮・長谷川選手

そのうえ三笘は掲げた「なりたい自分」のほとんどをかなえている。A代表入り、海外移籍ともに24歳、移籍先もドイツではなくイングランドと、本人設定とわずかな誤差はあったものの、ブライトンからの移籍金が推定300万ユーロ(約3億9000万円)。日本代表未経験選手としてはJリーグ史上最高額という付加価値がついた。