仕事においても人生においても、自分が指揮官であり、お金と時間をコントロールできている。何より、お金そのものではなく、仕事を追いかけている。それが1桁上の額を稼ぐ人たちの特徴。彼らのところに、お金が集まるのは、自然の理法があるからという。安岡正篤、松下幸之助、稲盛和夫らにも共通する法則を、8つの項目に集約した。いずれもが、ビジネスパーソンが今日から胸に留め、実践できる考え方と習慣だ。
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お金を追うのではなく、よい仕事を追う

お金をたくさん稼いでいる人には、いくつかの傾向があります。なかでも顕著なのは、人を喜ばせるために仕事をしているということでしょう。稼ぐ人というのは、お金儲けのためだけには働いていません。まわりの人を楽しませたり、社会に貢献するために働き、その結果としてお金持ちになっています。

「お金を追うな。仕事を追え」。これは禅の僧侶であり私の師匠でもある藤本幸邦先生がいつも口にしていた言葉です。お金というものは、世の中の人が役に立ったと評価してくれて、その対価として回ってくるものです。だから稼ぐ人はよい仕事をすることを常に念頭に置いている。はじめにお金ありきではないのです。

お金を追いかけて生きている人でも、たまたま時流に乗って、一時的に羽振りがよくなることはあります。しかし、そうした稼ぎ方はけっして長続きしません。なぜなら、世の中が求める仕事をしていないからです。いずれお金が入ってこなくなるのは明白です。

間違わないでほしいのは、まわりや社会のために働くといっても、自己犠牲の精神で自分を押し殺すという意味ではないということです。稼ぐ人たちを見ていると、むしろ積極的に仕事を楽しんでいる人がほとんどです。その意味で、彼らは人生においても、仕事においても、自分自身が指揮官であるといっていいでしょう。先頭に立って、仕事も人生もコントロールしているのも特徴です。

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一度やると決めたら、小さなことにも全力投球

成功している人たちの中には、自分の仕事を「天職」と表現する人が少なくありません。自分を生かして、なおかつ社会に貢献できる仕事に出合っているからこそ、天職だと胸を張っていえるのです。

自己犠牲を払わないことと、努力しないで楽をすることを混同するのも間違いです。稼ぐ人は陰で人の何倍も努力しています。ただ、働くこと自体の喜びを知っているので、苦労を苦労としてとらえていないだけなのです。

困難な仕事ほど、それをやったときの社会への貢献度は大きいものです。彼らはそのための人生の目的や生き方の哲学を持っています。楽ではない仕事を、いかに楽しんでやるか。それができる人のところに、お金はついてくるのです。

調査概要/gooリサーチとプレジデント編集部の共同調査により、「仕事とお金」に関するアンケートを2012年2月1~5日の期間で実施。個人年収1500万円以上で349サンプル、年収500万円で350サンプルの有効回答を得た。
(構成=村上 敬)
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